９

同じ時間をかけて
同じ場所で切磋琢磨する
そんな若さのぶつかり合いを
憧れて羨んで支持していた
何度も季節は流れて
いつしか少しは支援させてもらって
その役割を別の道で並んで歩いて
画面の向こうから
幼さが消えて逞しさが垣間見れた頃
たくさん僕のような人が
勝手に同志と思って
何かがあれば何かを重ねて
生き方が違えど
同じだけ歳を重ねてた
夢でいっぱいだったあなたは
夢の中を通り抜け
また違う何かを見つけた
僕らは置いてきぼりされた
そんな腹いせとかでもなく
画面からあなたが消えたら
夢を追ってた姿じゃなくなったら
目移りして情移りして
あなたはいつしか過去の人になる
あんなに励まし励まされていたのに
僕らは何もなかったかのように
時々思い出す事はあっても
いつしか目を逸らし
名前すら忘れて
顔も思い出しもしない
勝手な僕らが弱いから
強い何かに縋り続けなきゃ
生きていけないから
いつでも代替えをさがしてた
笑顔が好きだった
強さが好きだった
もうあんまり思い出せないけど
間違いなくあの頃の僕らはあなたを見ていた
でも今の僕らには
もっと強い誰かがいないと
生きていけないから
どうぞどこかで健やかに
どうぞどこかで栄光と
僕らには遠い思い出となっていてください