逃げ出した先で

文字数 7,472文字

 走ってきたみのりは息を切らしながら、ロッカーの前で立ち尽くしていた。
 あんなの、ただの八つ当たりだ。
 さっきの真帆の顔が目に焼き付いて離れない。
 友達に、なんてことを言ってしまったんだろう。
 真帆や翼くんは、こんな私にうんざりするだろうか?

「わかるー、さすがにあれはないわー」
 そのとき、向こうの廊下から、女子たちの笑い声が聞こえてきた。
 二年から同じクラスになった、いつも一緒にいる目立つ三人組だ。
 明らかに派手な感じの子たちで普段からなんとなく敬遠していたし、何なら今日は体育の授業で大失敗して睨まれていたから、なおさら近寄りたくなかった。
 聞きたくない。
 反射的にそう思って離れようとしたが、かん高い彼女たちの声はやけに耳についてしまう。

「しかし、今日の体育最悪だったよね」
 聞きたくない、聞きたくない。そう思うのに、身体が動かない。
 
「早川さんってやる気あんのかな? あたし、もうあの子と一緒のチームになってる時点で終わったー、って思ったもん! 次は一緒にしないでほしいわ」
「そもそもバレーのっていうか、スポーツのルール理解するとこからだよな。体育は早川さんだけひとりで特別授業にすればいいんじゃね? まずルールから覚えましょう、みたいな」
「ははは、ほんとそれー!」
 
 彼女たちの楽しげな悪口は容赦なく耳に入ってきて、心がズタズタに切り裂かれるのを感じた。
 こんなのこれ以上聞くことない、早くこの場を去りなさい。
 もうひとりの自分がずっと叫んでいたが、それでもみのりは動けなかった。
 ──この言葉を聞くまでは。

「そういえば宮崎さんは何であの子と仲良くしてるんだろうね」
「あー、あの背の高い子? よく一緒にいるけどほんとに仲いいのか謎だよね。どっちかっていうと、友達っていうより、早川さんの世話焼いてるって感じ。あのふたりじゃキャラ違いすぎるし」
「自分より下っぽい存在が身近にいたら、安心できるんじゃない?」
「それな。クラスで浮いてるかわいそうな子と仲良くしてあげてる私、みたいなとこ絶対あるって──」

 彼女たちのクスクス笑いが止んだ。
 険しい顔をしたみのりが立ちはだかってきたからだ。

「な、何よ……」
「さっきから立ち聞きしてたわけ?」
 さすがに本人が登場するとは夢にも思っていなかったらしく、怯む彼女たち。
 
「私の悪口なら、何言ってもいい……今日の私がひどかったのは事実だから」
 みのりは言葉を絞り出す。
 だんだん涙声になってきたが、もう構っていられなかった。
 
「でも、真帆のことを悪く言うのだけは、絶対許さない! 私の大事な友達なの。そういうこと、二度と言わないで!」
 
 泣きながら叫んだみのりは、(きびす)を返して駆け出した。
 それだけを言うのに必死で、彼女たちがどんな顔でこっちを見ていたのかもわからない。
 受け止めてくれるとは、とても思えない。
 
 


 今日の昼休み、優しい言葉をかけてくれた真帆の声がよみがえる。

 ──私を気遣ってくれた真帆に、ひどいことを言ってしまったんだ。こんなの私に言う資格ない。
 ──ごめん、ごめんね、真帆……

 校舎を飛び出して走った。
 ただ、全身を自己嫌悪が支配していた。
 次第に息が切れてきて、誰もいない路地で立ち止まり、肩で息をする。
 
「よう」
 立ちすくむみのり。
 いつのまにか、あの黒猫……ロダンが足元にいた。
 
「何泣いてんだ? 今日が散々だったからか?」
「なっ──」
 頰がカッと熱くなる。
 ロダンは今日自分にあった一部始終を、見ていたというのだろうか。
 真帆に八つ当たりしたのも、女子たちに悪口をいわれたのも、全部。
 
「何でわかるんだって思っただろ。オレは魔法使いだぜ?  姿を消しておまえのそばで見張ってたんだ。いつでもエーテルハートを手に入れられるように。しかし今日のおまえ、マジでひどかったな」
 からかうようなロダンの口調に一瞬、頭の中で火花が散った。
 
「ふざけないで……」
 ロダンは無表情で、怒りに震えるみのりを見つめている。
「今日の私を見てて、面白かった? 人が苦しんでるのが楽しい? 私だって、好きでこんな風になったんじゃない!」

 誰かから逃げ出すのは、今日何度目だろう。
 めちゃくちゃに走って、気がつくと広い河川敷にいた。
 
 


 ふとスマホを見ると、メッセージの通知がきている。真帆か翼からだろう。
 怒っているのかもしれないが、あんなことを言ったのだから怒られて当たり前だ。
 スマホをかばんにしまったみのりは、込み上げてくる嗚咽(おえつ)を抑えきれず、河原に座り込んで泣き出した。

 ──私、どうしていつもこうなの?
 こんなんじゃ、そもそも翔太だって好きにはなってくれないし、真帆や翼も離れていくかもしれない。
 私だってこんな自分大嫌い。何の価値もない────
 先日天気が荒れた影響か、川の流れがやけに早い。
 ゴーゴーと流れる水の音に紛れるように、みのりはつぶやく。

「消えちゃいたい……」

 突然冷たい風が吹いて、ぞっと背筋が寒くなった。
 川の流れる音に混じって、かすかに何かが聞こえてくる。
 脇に目をやると、小学校低学年くらいだろうか、小さい男の子がうずくまりすすり泣いていた。
 
 ──この子、いつからここに? さっき来たときは、私しかいなかったのに。
 
 迷子かな。不審に思いながらも、みのりは男の子に近づき、声をかけた。
「ねえ、君……ひとり? お父さんやお母さんは、どうしたの?」
 みのりの問いかけに、泣いていた男の子は顔を上げる。
 目がぱっちりして、可愛い顔の子だ。
 
「お父さん、お母さん、いない。ひとりになっちゃった。さびしい」
 
 彼の悲痛そうな表情に、みのりは胸が苦しくなる。
 ひとりは寂しい。今のみのりには、その気持ちがよくわかった。
 
「そっか……じゃ、一緒に探してあげる。そしたら、寂しくないよね?」
「おねえちゃん。一緒にいてくれるの?」
 男の子はうれしそうに、みのりと手をつなごうとしてきた。
「!」
 
 その触れた手の冷たさに、息をのむ。
 本能が叫んでいた。この子は普通じゃない、今すぐ離れろ、と。
 しかし、そんなみのりの心を読んだかのように、彼は小さい子どもとは思えないような強い力でみのりの手を掴んでくる。
 あまりの苦痛に、みのりは声を上げた。
 
「痛い、痛い、離して!」


 
 男の子──いや、それは禍々(まがまが)しいオーラをまとった、人ならざるものに姿を変えていた。
 正体のない、おぼろげな影。
 いつの間にかみのりの身体には(いばら)(つる)のようなものが巻き付き、拘束されつつあった。
 もがいても蔓が身体に食い込むばかりで、叫ぼうとしても声が出ない。
 
 ──嫌だ、誰か助けて………
 
 周囲が異様な雰囲気に包まれている。
 いつしか空や景色が赤黒く染まっていた。
 あれだけうるさかった川の音も止んでいる。
 影は、みのりを嘲笑(あざわら)うように呼びかけてきた。






 悪口を言う女子たちの顔、ほのかと笑い合う翔太の顔、そして真帆の戸惑う顔が脳裏によぎる。
「私は無価値──私は愛されない──わたしは……」
 もはや抵抗する気力もなくなりつつある。
 みのりは気が遠くなりながら、「それ」の言うことを頭の中で繰り返すだけだった。

「よしな。こんな奴の遊びに付き合ってやることねーよ」
 聞き覚えのある声が、耳元でした。
 その瞬間身体を縛っていた蔓が解けて、みのりはそのまま河原に落下した。
 
「い、いたたた……」
 打った背中をさすりながら身を起こす。

 何が起きているのだろう。
 みのりに背を向けるようにして立っていたのは、ロダンだ。
 先ほどまでみのりを襲おうとしていた正体不明の影は、突然邪魔されたことへの憤怒(ふんぬ)を隠しきれない様子で、ロダンに呪詛(じゅそ)の言葉を吐いた。


「悪いな。こいつはお宝を持ってるんで、おまえに渡すわけにはいかねーんだよ。さーて、久しぶりにやるか」
 不敵な笑みを浮かべた、ロダンの足元に、巨大な魔法陣が出現し、みのりははっとする。

「──冥府(めいふ)に眠りし闇の番人よ、我が声に応えよ」
 呪文らしきものを詠唱(えいしょう)し始めたロダンに、影が一瞬怯んだような気がした。
「我、汝が力望む者なり。いま、()しき者に裁きを──」
「何っ、──……」
Fera meleo! (鉄槌(てっつい)を下せ)」
 
 ロダンがそう叫んだと同時に、轟音とともに大地から巨大な手が出現し、みのりは思わずロダンの後ろに隠れた。

  紫色の不気味な気をまとうそれは、みのりを襲ってきた影に負けず劣らず、不穏な雰囲気に満ちている。
 ロダンが魔法らしい魔法を使うのを、みのりは初めて見た。
 ──これが、闇の番人? ロダンは闇の番人を召喚したってこと?

「よう、久しぶりだなキルフェゴール。今ちょっと困ってんだよ。こいつなんとかしてくれねぇか」
 ロダンの声はむしろ楽しげで、困っているようにはとても聞こえなかった。
 キルフェゴールと呼ばれた闇の手は向きを変えると、おもむろに正体不明の影に襲いかかり、握りつぶそうとした。
 影が苦しげに呻き声を上げ、怖くなって目を覆うみのり。
 しばらくすると、何も聞こえなくなった。

「おい、もう見てもいいぞ。──ギリギリで仕留め損なったか。まぁいいや、この分じゃ簡単には復活できねーだろ」
 おそるおそる目を開けると、正体不明の影は跡形もなく消えていた。
 ロダンの言葉からすると、完全には倒せなかったらしい。逃げられたということなのだろうか。
 
「ありがとな、こんな遠くまで来てもらって。またなんかあったら、頼むわ」
 そう言われた闇の手は、再びゆっくりと大地に姿を消した。
 
 残されたみのりは、河原に座り込んだまま、先ほどまで影がいた空間を茫然と見つめていた。
 赤黒く染まり異様だった景色も、何事もなかったかのように元に戻っている。
 川は、またゴーゴーと音を立てながら流れていた。
 到底現実とは思えないような出来事だったが、みのりの右手首にはあの影に強くつかまれた跡が、くっきり残っている。

「今の、何だったの……? 幽霊? お化け?」
 やっとのことで、ロダンに問いかけるみのり。
「何ともいえないな。もしかしたら、オレがこの世界に来た影響で、空間の歪みが大きくなっちまってるのかもしれない。それで本来この世界にはいないはずのあいつが現れたという可能性もある。しばらくすると、元に戻るとは思うが」
「じゃ、じゃあ、さっきの手の化け物みたいなのは何?」
「ああ、あいつな。冥府──おまえの世界でいう黄泉(よみ)の国っての?  そこにいる巨人を呼び出したんだよ。デカすぎて手しか出てこなかったけどな。やっぱり闇属性には闇属性をぶつけるのが一番いいわ。それより」
 
 ロダンは、みのりの左手に触れ、優しい声で言う。
「大丈夫か?」
 
 その声を聞いたとたん安堵(あんど)が押し寄せて、みのりはまた涙があふれてくるのを止められなかった。
 本当に死ぬかと思った。
 まだ、真帆に謝れていないのに。
 ロダンがいなかったら、今頃どうなっていたのだろう。
 
「怖かった……怖かったよ……」
 泣き崩れるみのりに、ロダンはなだめるように声をかけた。
「おまえが消えたいと言ったから、きっとあいつを呼んだんだ。怖かったなら、もう口にするな……それに」
 ロダンは少し咳払いすると、気まずそうに言った。
「おまえ、なかなかやるじゃねーか。あのうるさいアホ女たちに言いたいこと言ってやっただろ」
「アホ女……クラスの女子たちのこと?」
 ロダンの率直すぎる表現に、泣きながら思わず吹き出すみのり。
「ああ。だから、もっと自信を持っていいと思うぜ。……さっきは、ひどいことを言って悪かった。みのり」
 そう言って、みのりの涙を拭うロダン。
 彼のぶっきらぼうながらも真摯(しんし)な思いが伝わってきて、みのりは胸の奥が温かくなった。
 思わず、ロダンを抱き寄せようとする。
「お、おい……」
 動揺する彼に構わず、みのりはロダンを抱きしめた。
 嬉しい。彼が何者なのかまだよくわからないけれど……ただ、みのりは嬉しかった。
 
「助けてくれてありがとう、ロダン」
 みのりが述べたストレートな感謝に、ロダンは言葉に詰まった様子で、瞳の色をオレンジに変えた。
「別に……さっきも言ったが、エーテルハートが手に入らなくなるとオレが困るからな」
 あまりにもわかりやすい反応だ。照れているのだろうか。
「またまたぁ……ロダンって、結構可愛いとこあるね」
「誰が可愛いだ!」
 あからさまに嫌そうな顔をするロダンが面白くて、みのりはクスクス笑った。

「みのりー!」
 遠くから自分を呼ぶ声が聞こえて、みのりは振り返った。
 真帆と翼だ。探しに来てくれたのだろうか。
 
「おまえの友達って、あいつらだよな」
「そうだよ。どうせ見てたんだろうけど……私も、真帆にひどいこと言っちゃったから、謝らなきゃ」
 みのりは立ち上がって、ふたりに手を振る。
 
「よかった、見つかって。返事もこないし」
「おまえ、心配させるなよ。かなり探したんだぞ」
 ふたりが駆け寄ってきた。
 翼は、無理もないが怒っているようだ。真帆も心配そうな顔でみのりを見ている。
 みのりはまっすぐふたりを見つめると、切り出した。

「真帆……さっきはごめんね。何言ってるんだって思ったよね。私、今日の自分がさんざんで……こんな私と一緒にいても楽しくないんじゃないかなって思ったの。翼くんも、心配をかけてごめん。探しにきてくれてありがとう。これからも、私と友達でいてくれる?」
 想定外の返答だったのか、真帆と翼は呆気にとられた表情でお互い顔を見合わせ……そして笑い出した。
 困ったように、眉を寄せるみのり。
 
「別に、笑わなくても……」
「なんで優しくするのかって? そんなの決まってるでしょ、友達だから。あんたのことだから、学校でのこといろいろ気にしてるんだろうけど、私はそんなのどうでもいい。みのりが大好きだから、一緒にいるの。今度誰かに何か言われたら、いつでも言ってきていいよ。私がやっつけてやるから!」
 そういって笑ってみせる真帆。
「ありがとう……ごめんね。私も、真帆が大好きだよ」
 また胸の奥が温かくなる。みのりと真帆は、ふたりで笑い合った。
 


 翼もほっとしたのか、先ほどの険しい表情はなくなっていた。
「ちょっと話聞いただけだけど、おまえクラスの女子に言い返したんだって? やるじゃん。もっと自信持ってもいいんじゃないか」
「おい、さっきオレが全く同じこと言ったぞ!」
 翼の言葉にロダンが不満そうな声を上げるが、翼にも真帆にも、ただの猫の鳴き声にしか聞こえないようだ。
 その上ふたりはロダンを見ても全く驚く様子を見せず、自然に受け入れた。
 
「お、ロダンじゃん。久しぶりだなー、元気にしてたか?」
「昔から猫好きよね、翼は……」
 ──ロダン……真帆や翼くんの記憶も書き換えてたのか。
 ロダンを見たとたんニコニコし始めた翼に、呆れる真帆。
 ロダンは「オレは猫じゃねえ!」とまた不満そうにつぶやいたが、やはりふたりには猫が可愛く鳴いたようにしか、聞こえないらしい。
 
「あ……やばい、お母さんが怒ってる」
 みのりのスマホが通知音を鳴らす。母からのメッセージだった。
 いつまでも帰ってこないみのりに業を煮やしているようだ。
 さすがにもう遅いし解散しよう、と、みのりたちは大きい通りに向かって歩き出した。
 そろそろ日が沈もうとしている。
 
 真帆と翼の手前、普通の猫を演じる必要のあるロダンは、みのりの腕におとなしく抱かれている。
 エーテルハートだとか魔法だとか、みのりにはまだよくわからないけれど、ほんの少しロダンと仲良くなれそうな、そんな気がしていた。
 
「一緒に帰ろう、ロダン」
「自分で歩けるっての」
 笑顔でそっとささやいたみのりに、そっけなく返すロダン。
 だがその声には、どこかまんざらでもなさそうな響きがあった。

 * * *
 
 ここはどこだ。
 ロダンは暗闇の中で、追われていた。
 追いかけてくるのは、正体のない無数の声だ。
 侮蔑(ぶべつ)、嫌悪、誹謗(ひぼう)、嫉妬……
 あらゆるネガティブな感情が、ロダンに向けられていた。

 

使


 


 

使



 冷笑がこだまする。
 今まで自分を見下し、蔑んできた者たちの声を聞くまいと耳を塞いだ。
 だが今度は、別の邪悪な声が塞いだ耳の隙間から響いてくる。

 


 


 


 



 邪悪な声が自分の中に侵入してくる感覚。
 ロダンは苦痛のあまり、叫びそうになった。そして……

 * * *
 
 はっと飛び起きた。
 心臓が激しく打ち、冷や汗が止まらない。
 ただの夢だと理解するまで、少し時間がかかった。
 
 まだ真夜中だ。
 この部屋の主……みのりは、ぐっすり眠っているらしく、何だかよくわからない寝言を言っていて、ロダンは一気に力が抜けた。
 
 あれから──翼と真帆が迎えにきたあと、ロダンはみのりと一緒にこの家に帰ってきた。
 ロダンにも、みのりの家族のことが少しずつわかってきた。
 温厚そうな父親。娘とは正反対の活発で明るい母親。みのりの兄だろうか、真面目そうな長男。
 末っ子で女の子ということもあってか、おそらく大切にされてきたのだろう。
 家でのみのりはとてもリラックスしていて、幸せそうだった。
 そしてロダンも、家族の一員として、彼らに迎えられている。
 善良で心優しい彼らはいつわりの記憶を信じ、昔からの飼い猫でもなんでもない、よそ者のロダンを可愛がっていた。

 ここは初めて見る、穏やかで温かい世界だ。

 ロダンは、みのりやその家族から優しさを向けられ、むず痒いようなよくわからない気持ちに困惑していた。
 どうも調子が狂ってしまう……こんなことではいけないのに。
 一刻も早くエーテルハートを手に入れなければ。
 もうあんなおぞましい記憶などにとらわれることはない。

「もう、あの頃のオレじゃない」
 ロダンはそう吐き捨てると、再び目を閉じた。
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登場人物紹介

早川 みのり(16)

2月28日生まれ 160cm A型

この物語の主人公。おとなしく自分に自信がない女子高生。

本来は純真でひたむきな性格なのだが、他人をうらやましがり、諦めがちなところがある。

料理が好きで、よくネットのグルメ情報やレシピサイトを見ている。

ロダン(人間でいうと21)

8月1日生まれ 体長40cm  ?型

ある日みのりの前に現れた魔法使い。

強気でいつも自信満々。

どう見ても黒猫にしか見えないが、

自分は猫ではないと言い張っている。

願いの叶う宝石エーテルハートを探している。

宮崎 真帆(17)

5月2日生まれ 168cm O型

みのりの中学時代からの親友。内向的なみのりをよくフォローしている、お姉さん的存在。

明るい性格で、いつも元気いっぱい。

翼とは幼なじみ。

坂本 翼(16)

11月9日生まれ 180cm B型

みのりの男友達。

人付き合いが得意でなく近寄りがたい印象を持たれているものの、心を許した人物には真摯に接する誠実な性格。

真帆の幼なじみで、彼女に好意を持っている。

筋トレマニア。

七瀬 翔太(17)

7月31日生まれ 178cm A型

昨年東京からやってきた転校生。

端正な容姿とスマートな振る舞いで女子に人気がある。

みのりの初恋の相手となるが……

伊藤 ほのか(16)

9月1日生まれ 155cm O型

みのりの同級生。

おっとりしていて、可憐な容姿で男子に人気がある。

優しく気配り上手。

早川 大地(20)

1月30日生まれ 174cm AB型

みのりの兄。大学生。昔から成績優秀で注目されてきた。

坂井 宗一郎(67)

4月3日生まれ 176cm O型

みのりの祖父で、彼女に「魔法の丘」の存在を教えた人物。

陽気な性格で、少し浮世離れしている。

エリザベート(??)

6月30日生まれ 172cm  ?型

魔女。

ロダンと関係があるようだが……

謎の男

異世界の魔女


その正体は……

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