おじいちゃんとの再会
文字数 7,634文字
昼間の肌を焼くような日差しは薄らいだとはいえ、むせかえる暑さは夕方になってもさほど変わらない。
風が吹いて、軒先の風鈴がチリン、と音を立てた。
──日本の夏、て感じ。
うーん、すがすがしいほどにひねりのない表現だ。
石段に腰掛け、ノースリーブにショートパンツ姿でくつろぐみのりは、そんなことを思った。
八月ももう半ばを過ぎようとしている……日本全国、お盆の真っ最中だ。
「わー! みのりちゃん見てー、きれいだねー」
ストローを手にした少年が無邪気に笑った。
虹色のシャボン玉が、夕日に照らされながらふわふわと宙を漂っていく。
みのりはその儚く美しい瞬間を切り取ろうと、あわててスマホを構えた。
「あー、全部消えた! 綺麗だったのに! ねえゆうくん、もう一回吹いてみて」
「仲ええのお、ふたりとも。ほいじゃが、もうすぐ夕飯で。今夜は真人とみのりが飯作ってくれるんじゃろ?」
シャボン玉にはしゃぐふたりの元に、背の高い初老の男性が現れる。
そして彼の後ろからは、なんだか退屈そうなロダンがちょこんと顔を出した。
「あ、そうだった。真人叔父さんが材料買いに行ってくれてたんだよね。よーし、今日は美味しいもの作っちゃうよー」
「えー、シャボン玉もうおわり? ……あ」
シャボン玉が楽しかったのか残念そうな少年が、ふと何かに気がついた。
つられてそちらに目を向けたみのりは、声をあげる。
「猫だ! 可愛い!」
しかも一匹ではない。キジトラ、三毛猫、黒と白のブチ……わらわらと出てきた。
みんなまだ小さく、つぶらな瞳がなんとも可愛らしい子たちだ。
そういえば、本物の猫を見るのは久しぶりな気がする。
この街には猫がたくさんいて、みんな人慣れしている。
事実、みのりたちを見ても別段驚く様子もない。
あまりの可愛さに「おいでおいで」と手を差し出すみのりの方に近づこうとさえしていた。
──ロダンを見るまでは。
猫たちはロダンに気づいた瞬間全身の毛を逆立て、蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。
「ありゃ、どしたんかいな? 知らない猫がおったけえ警戒したんじゃろうか」
「でもロダンくん、おどかしたりしてないのにねー」
猫たちの怯える様子を見てしきりに首をひねる、老人と少年。
「別にオレ、なんもしてねーよ。ただあいつらが勝手にびびって逃げてっただけだろ」
みのりに無言で見つめられ、ロダンはつまらなさそうに言ったのだった──
* * *
始まりは、一本の電話からだった。
「うん、ずっとお盆が待ち遠しかったんだよ。お店にもやっと行けるし……」
みのりは毎年盆の時期になると、尾道にある祖父の家に遊びに行くのを楽しみにしていた。
おじいちゃん子のみのりにとっては一大イベントだったが、なんといっても今年は特別だ。
祖父と同居している叔父夫婦が昨年、空き家をリノベーションしたカフェをオープンした。
ふたりの夢だったその店はカフェ激戦区の尾道にあって、地元メディアやSNSに取り上げられたりと滑り出しも上々だという。
姪であるみのりも、行くのをとても楽しみにしていたのだ。
夏休み。お盆も間近になり、久しぶりに話す叔父と楽しく電話していたみのりだったが、叔父のひとことを聞いて面食らった。
「そうだな。ロダンならうちにも慣れてるけど、最近体調崩してるとかないか? 結構な長旅になるからな」
「うん、ロダンは元気だよ。全然……ん?」
叔父の口からロダンの存在が言及されるのは初めてだった。
なんでロダンが出てくるの?
そう言いかけてやめる。
みのりの歯切れの悪さに引っかかったらしく、不審そうに述べる叔父。
「なんだよ、忘れたんじゃないよな。昨年も一緒にうちに来ただろ。ずっとご機嫌だったよな、ロダン」
そんなはずはない。昨年は私ひとりで……とまで考えたところで、みのりは全てを察した。
ロダンが記憶を書き換えたのだ。
両親や兄、真帆や翼ならともかく、叔父たちにまで抜かりなく手を回していたらしい。
そういうことか……と内心ため息をつきながら、みのりは話を合わせた。
「う、うん。ロダンなら大丈夫。お出かけ大好きだし、電車でもおとなしくしてるもん。楽しみだよ」
「ユースケもみのりとロダンに会いたがってるし、いっぱい遊んでやってくれな。じゃあ、また明日」
叔父が深く考えない人で助かった。
電話を切ったみのりは頭を抱えると、自分の部屋に向かう。
「ちょっと、ロダン。尾道の真人叔父さん、ロダンも一緒に来るって思ってるみたいなんだけど。ロダンがやったんでしょ?」
ロダンは部屋の隅で丸まって、エアコンの冷たい風に当たっている。
日に日に本物の猫っぽくなるな……とみのりは思ったが、口には出さなかった。
ロダンはあくびをすると、みのりの方を向く。
「真人叔父さん? 誰だそいつ」
「うちのお母さんの弟! 私、毎年夏休みになるとおじいちゃんの家に遊びに行くんだけど、ロダンが来るの楽しみにしてるって、叔父さん言ってたんだよ。別にロダンと一緒でも全然いいけど、そういうことは最初に言ってよね。話合わせなきゃいけないじゃない」
「ああ」
ロダンはニヤリと笑うと、立ち上がってみのりを見つめた。
「確かめたいことがあんだよ。おまえのじいさんのことで」
「え……おじいちゃん? おじいちゃんが何なの」
突然祖父の話題を出され、面食らうみのり。
その先を聞きたかったが、まぁ見てろそのうちわかる、とそれ以上ロダンは話してはくれなかった。
* * *
「はあ……やっと着いた」
猫用キャリーバッグを抱えたみのりは、立ち止まって息をついた。
真夏の日差しが容赦なく照りつける中、電車を乗り継いで一時間半。
なかなかの長旅だった。今年はロダンも一緒だからなおさらだ。
みのりの祖父の家は、街中を抜けてゆるやかな丘を少し上がった住宅街に位置している。
見下ろせば、広がる青い海と、古い街並み。
みのりは、優しい時間の流れるこの街が大好きだった。
「おい、早く出せよ。窮屈すぎる」
みのりが入れた保冷剤と、冷気を作る魔法で暑さはしのげても、空間の狭さはどうしようもない。
外に出たくて仕方ないロダンは催促するが、みのりに手で制された。
家の中に入るまで待って、とでも言いたいのだろうか。
「こんにちはー」
玄関に入って声をかけると、奥から顔を出したのは叔父の真人だ。
みのりの母の、年の離れた弟にあたる。
みのりは叔父のことを、もう一人の兄のように慕っていた。
「お疲れ、みのり。暑い中よく来てくれたな」
続いて現れたのは、叔母の詩乃と、みのりの従弟にあたるユースケだった。
「みのりちゃん、久しぶり。外暑かったでしょ、冷たいお茶でも入れてあげるわね」
「ユースケ、みのりお姉ちゃんとロダンくんが来てくれたぞ。あいさつしなさい」
ユースケは七歳くらいの、元気いっぱいの男の子だ。
子どもが苦手なロダンは、ぞっとして全身の毛を逆立てた。
「みのりちゃん、こんにちは!」
「こんにちは、ゆうくん。いま、ロダン出してあげるから、なでてあげてね」
「わーい、ロダンくんだ! こんにちは!」
やっとキャリーバッグから解放されたかと思いきや、ユースケにわしゃわしゃと頭をなでられたロダンは、どうせ聞こえまいとみのりに文句を言った。
「やめろ坊主! おいみのり、オレ子ども嫌いなんだ。こいつなるべくオレに近づけるなよ!」
ふたりが目の前にいる以上ロダンと話せないみのりは、叔父と笑い合っていた。
きっと内心「自分から来といて何言ってんの」などと思っているのだろう。
必要があったとはいえ、ロダンはここに来たことを一瞬後悔しなくもなかった。
「おお、みのり! よう来たのお」
「おじいちゃん!」
みのりとユースケの声が重なる。
と同時にユースケの手が離れ、ロダンはほっとした。
廊下の奥からやってきた初老の男性──
彼こそが、みのりが慕ってやまない祖父なのだろう。
くっきりした目鼻立ちには、みのりの母の面影が見える。
みのりくらいの年の孫がいるならそれなりの高齢のはずだが、すらりと伸びた背筋、明朗快活な声は、全く年齢を感じさせなかった。
「久しぶりだね、おじいちゃん! 今年も来れてうれしい。ごちそう作るからね」
よほど祖父が好きなのだろう。彼の顔を目にしたとたん、満面の笑みを見せるみのり。
祖父も祖父で孫娘が可愛くてたまらないらしく、目を細めてみのりの肩に触れた。
「そりゃ楽しみじゃ。ロダンも、待っとったで。ゆっくりしていくとええ」
「あ……どうも」
自分にも声をかけられ、不意をつかれたロダンは思わず返事をしてしまう。
もちろん、人間には猫が鳴いたようにしか聞こえないはずなのだが。
──みのりのじいさん……変わった気配は何も感じないな。オレの言葉がわかるような様子もない。
やはり見当違いか? ロダンは首をひねった。
「そうだ! おばあちゃんにもあいさつしなきゃ。おじいちゃん、仏壇の部屋にいってくるね」
「ああ、ほうじゃの。ばあちゃんも喜ぶわ」
みのりはそういうと、奥の部屋に向かった。
後についていくロダン。
みのりの祖母が若くして亡くなったことは、少しだけ聞いていた。
こじんまりした和室の中には、ごく小さな礼拝堂のようなものがあった。
カペラ王国のそれとはずいぶんと
若い女性が写った、古い写真がある。
彼女──みのりの祖母は、顔立ちが孫にそっくりだ。
みのりが大人になったらこんな感じになるんだろうな、とロダンは思った。
壇上の金色の器を軽く叩けば、涼やかな音が響く。
みのりは目を閉じて、手を合わせる。
なんとなくそうしなければいけないような気がして、ロダンもみのりに
「──会ったことはないけど、私のおばあちゃんだよ。おじいちゃんの家にくると、いつもこうするの。喜んでくれると思うから」
みのりはそういって微笑んだ。
その面立ちはやはり、写真の中の女性によく似ていた。
長旅で疲れただろうから、と部屋に通されたみのりとロダン。
みのりは祖父たちと麦茶を飲んでいるが、みのりの従弟のユースケはロダンに
ロダンは長距離移動よりも、今の方がはるかに疲れていた。
「ねえ、みのりちゃん! ロダンくん、ちゃんとお返事するんだよ。かしこいねー」
「こら、ゆうくん。ロダンくんは疲れてるんだから、そろそろお昼寝させてあげなきゃ。ゆうくんもこっちきて、ジュース飲みなさい」
ロダンに助け舟を出したのは、ユースケの母……みのりの叔母だった。
しめた、と思ったロダンはここぞとばかりに大あくびをする。
ユースケは残念そうに、みのりたちの元に向かった。
やれやれ、とみのりが持ってきた猫用ベッドに収まるロダン。
──まぁ、別に眠いわけじゃねーけどな。
ダイニング席では、みのりたちが楽しげに語らっている。
「叔父さん、お店はどんな感じ?」
「おかげで順調だけど、だいぶ忙しい。やっぱりSNSの力ってすごいな。一度話題になってから、お客さんの入りが全然違うよ」
みのりの叔父、真人は笑いながら言った。
夢が叶い、充実しているのだろう。その声には満ち足りた響きがあった。
「友達の真帆も言ってた。SNSでバズってたって……親戚のお店が大人気なんて、最高だよ。すごくうれしい」
「じいちゃんも見たで。カフェ・ソネットで検索したら写真がどんどん出てきて……わしも誇らしいよ」
「おじいちゃん、それ最近出たばっかのスマホじゃない。クラスの子みんなほしがってるやつなんだよ」
スマホを片手に得意げな祖父に驚くみのりと、呆れ笑いをするみのりの叔父。
「じいちゃんは新しもの好きだからなあ。俺より詳しくて、びっくりするよ」
「いいなーみんなスマホ持ってて。ぼくもスマホほしいー」
「ゆうくんは、もうちょっと大きくなってからね」
ロダンは、みんなの楽しげな笑い声を耳にしながら、ぼんやりと考えた。
──家族、か。
いくら両親の記憶を
父も母も、魔法協会入りを期待されるほどの、優秀な魔法使いと魔女だったらしい。
しかし彼らはほどなくして、その短い生涯を終えた。
──ロダン、よくお聞き。我らケット・シーに伝わる、一度しか使えない究極の魔法を、あなたに教えるわ。
──おまえが本当に大切なものを守りたいと、心から思ったときに使いなさい。
両親が亡くなる前、真剣な顔で言われたことだけはよく覚えている。
今思うと、彼らは自分たちに残された時間がもう長くないことに気がついていたのかもしれない。
教わった魔法を使うべきときは、おそらくまだ来ていない。
魔法が不得手だったロダンにとっては、優秀だった両親の存在はむしろ
両親をも超える、誰もが認める魔法使いになること。
それがずっと、ロダンの願いだった。
そのためにエーテルハートを手に入れたい、と。
そう強く思っていたはずなのに。
みのりと一緒に優しく穏やかな時間を過ごすうち、自分の中で強さへの渇望が薄れつつあるのを感じ、ロダンは自身の心境の変化に困惑していた。
しかし、エーテルハートを手に入れられないままカペラ王国に帰って、どうなるというのか。
強くなると
ロダンは焦る気持ちを持て余していた。
* * *
その夜は、みのりと叔父が腕を振るった夕食を皆で共にし、とても賑やかなものになった。
ロダンもみのりの計らいで、猫用に作ったものを少しだけ食べさせてもらっている。
今夜のメインメニューは手作りハンバーグだ。
ひき肉を丸めて焼いた料理だという。
似たようなものはカペラ王国にもあったが、味はまるで段違いで、一口頬張ると旨味の溶け込んだ肉汁があふれ出てくる。
いつかみのりが言っていた、「食べることは心にも必要」という言葉の意味が、だんだんロダンにもわかってきた気がした。
「こりゃあうまい。何個でも食えそうじゃ」
「おいしいよ、みのりちゃん! ぼくハンバーグ大好き」
「手伝ってくれてありがとうな。本当に助かったよ」
「ハンバーグ作るのって結構難しいのに、すごいわ。お店のメニューみたい」
「そんな……褒めすぎだよ」
一同に作った料理を絶賛されみのりは照れていたが、ロダンも同感だった。
一度あんなに美味しいものを口にした今、もうキャットフードには戻れそうにもないと思ってしまう。
夜も更けて、入浴を終えたみのりとロダンは、客間で就寝前のひとときを過ごしていた。
大好きな祖父の家にいることがうれしいのか、パジャマ姿のみのりはいつになく華やいだ顔で、肌の手入れをしている。
「ねえ見てロダン。翼くん、今日の試合に真帆を誘って一緒に観に行ったみたい。順調に仲良くなってんのかな」
ふとみのりが見せてきたスマホの画面には、スタジアムをバックに紫のユニフォームを着た、仲睦まじいふたりが写っている。
あいかわらず明るくはつらつとしている真帆。
以前見た写真では硬い表情だった翼も、どことなくリラックスした雰囲気だ。
「ふーん。しかしおまえらよく三人でつるんでるのに、もし今後翼と真帆が付き合い始めたら、気まずくならないか?」
「正直全くなくはない、かもしれない。そうなったら今まで通り真帆と一緒にはいられないかもだし。でも、ほんとにうまくいってほしいって思ってるよ。心から」
みのりは笑顔でそう言った。
──こいつ、最近よく笑うようになったよな。
ロダンはみのりと出会った頃のことを思い出していた。
あの頃は学校に行くのも気がふさぐ様子で、親しい相手も真帆や翼に限られていたのに。
最近はよく新しい友達の名前を出すようになった気がする。
何より、自分を否定するようなことをほぼ言わなくなった。
ロダンはそんな彼女の変化に、複雑な心境でいる。
どんどん前向きになる彼女に反比例するように、ロダンは自分自身がわからなくなりつつあるからだ。
みのりはロダンが物思いにふけっていることに気づき、頬をふくらませた。
「ちょっとロダン、聞いてんの?」
「あ……悪い、なんか眠くなっちまって」
「まぁ、疲れたよね。私、明日叔父さんのお店のお手伝いするから、私がいない間はおじいちゃんとゆうくんと、お留守番しててね」
「うわ、マジかよ……」
またあいつにおもちゃにされるのか、とうなだれるロダン。
みのりはそんなロダンを見て微笑むと、彼の隣にそっと寄り添った。
「今日、うれしかったよ」
「何がだよ?」
ロダンは怪訝そうな顔で聞き返す。
「おじいちゃんの家に一緒に来れて。ほら、ロダンは見た目はやっぱり猫だから……透明になって私についてくることはできても、本当の意味で一緒に出かけることってなかなかできないじゃない? だから楽しかった。それに、昼間私がおばあちゃんの仏壇にお参りしてるとき、ロダンも一緒にお参りしてくれてたよね。おばあちゃんも喜んでくれたと思うの」
「…………」
「私、この先本当のカペラ王国に行けるかどうかわからないけど、やっぱり行ってみたいな。ロダンが育った故郷を、ちゃんと見てみたい。とても素敵なところだったもん。そうだ、それに私もロダンのお父さんとお母さんのお墓参りしたい」
目を輝かせて語るみのりに、ロダンは一瞬言葉に詰まったが、淡々と述べた。
「そうか。言っておくがこっちの食生活に慣れてると、カペラ王国の食いもんはまずいぞ? 耐えられるかな、食べるの大好きなみのりちゃんに」
「うっ……そうだった」
しばらくとりとめのない話が続いた。
カペラ王国の人たちに美味しいものを食べさせてあげたいと話すみのり。
そもそもカペラ王国には日本ほどいい食材がないから厳しい、と答えるロダン。
ふと会話が途切れたタイミングで、ロダンはみのりに向き直って言った。
「オレ……最近わからなくなったんだ。おまえに、どんな自分になりたいんだって聞いておいて。オレが本当にどうしたいのか」
「ロダン──………」
「みのりは頑張ってるよな。本当に、変わったよ。だからこそ、思うんだ。オレがこれ以上ここにいたら──」
答えがない。
ふとみのりの方を見ると、幸せそうな顔で眠ってしまっていた。
大好きな祖父や親戚たちに料理を振る舞い、疲れたのだろう。
「結局先に寝るのかよ。言うんじゃなかった」
そのぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、ロダンの表情は優しかった。
彼が天井に
「おやすみ、みのり」