第22話 九州旅の終わり

文字数 1,095文字

 九州最後の夜は、豪勢に夕食付きのプランで泊まることにしていた。
 バイキングではないから夕食の量が足りない可能性を考えて、ホテルに入る前、近くのスーパーでビールとおつまみと月見団子を買った。

 ホテルにチェックインして、まずは温泉。露天風呂ありの大浴場へ。身体を洗い、いざ露天風呂に向かうと、ミストサウナなるものがあった。ちょっとした好奇心でサウナに入ってみる。
 ……うぉっ、アッッツ。めちゃくちゃアツイぞ。
 5分ももたずに出て、シャワーで汗を流し改めて露天風呂に浸かる。こちらも結構熱いけど、ゆったりと足を揉みながら10分ほど。

 部屋に戻って冷房で涼んでいると、夕食の時間になった。
 会場へ(おもむ)くと、部屋番号の札が置かれた席に案内された。アプリ会員登録で貰ったシャインマスカットサワーのチケットを係の人に渡す。



 彩り豊かなサラダや銀杏豆腐などの各種盛り合わせ、とり天、豚のだんご汁、ごはんは湯布院ひとめぼれ、という郷土料理のオンパレードだった。



 デザートに添えられた豆乳ソースも華やかな味で、それらの料理にサワーがとっても合っていた。僕が泊まるような値段帯のホテルだと夕食付きプランがそもそも無かったりするけれど、ホテルの夕食、とっても()いじゃないですか。

 幸せを取り込んで部屋に戻り冷蔵庫を開け、うーん、と(うな)る。このビールとおつまみと、夕食のだんご汁とかぶった月見団子はどうしようか。もうお腹は一杯だぞ。なぜならご飯をおかわりしちゃったからだ!

 ということでもう一度お風呂に入ろう。ミストサウナで汗をかき、露天風呂でまったりと星を眺めた。OK。小腹が()いた気がする。
 ラウンジでサービスの焼酎が提供されていた。紙コップに入れて部屋へ戻る。多分、焼酎は団子に合う。

 カーテンを開けて夜空を観ながら晩酌をして、歯磨きしてベッドで横になる。目を(つむ)ったら寝ちゃうよな、と思った瞬間に夢の世界。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 朝食はバイキングではなく、会場の席に座ると料理が運ばれてきた。メニューが紙にイラストで描かれており、ひとつひとつの料理の名前を確認しながら食べ進める。湯豆腐がちともたれ気味な胃に優しい。あじの干物もご飯と良く合う。



 大満足でホテルを(あと)にして、亀川駅で北九州の小倉(こくら)駅へ向かう電車に乗った。小倉(こくら)駅で新幹線に乗り、本州へ戻るのだ。

 長崎とか佐賀は通っていないから、いつか行くかも知れない。あとは四国、東北、東海、関西、山陰、沖縄……まだ結構あるじゃないか。

 帰ったら次は長野にでも行くかなぁ。そんなことを考えながら、新幹線の窓の外を流れていく景色を眺めていた。

 ということで、九州旅でした。
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