季節代わりアップデート。
文字数 1,270文字
九月。私はまた入院生活を送ることになった。夏休みを楽しめたことは良かったけど。
楽しめたって行っても外出は最低限、みんなが羨むようなことはまったくしてないよ。
楽しめたって行っても外出は最低限、みんなが羨むようなことはまったくしてないよ。
「美波ちゃん。朝ごはん持ってきたよ」
ナースの長澤さん。
「今日の体調はどうかな？」
担当医の阿達先生。
「美波おはよう！！」
親友の秋谷楓。
今までだったら出てくる登場人物は主にこの三人。それに私の母親がたまに加わるだけ。
でも今は違う、もう一人……。
手元に置いていたスマートフォンが振動。私はすぐに開いた。案の定、Talkmanの通知でもちろん小南透人からのメッセージ。
透人君とのメッセージはやり取りを始めた四月からずっと続いている。
今までだったら出てくる登場人物は主にこの三人。それに私の母親がたまに加わるだけ。
でも今は違う、もう一人……。
手元に置いていたスマートフォンが振動。私はすぐに開いた。案の定、Talkmanの通知でもちろん小南透人からのメッセージ。
透人君とのメッセージはやり取りを始めた四月からずっと続いている。
『今日から入院だったよね？ 僕もまだ入院生活なんだ。だから一緒に頑張ろね美波ちゃん』
いつしか透人君は私の心の支えの一つに。
たまに彼のフォロワーを確認してしまう。その中に女の子がいると、少し胸が苦しくなる。こんな嫉妬深い女だったのかなとか思ったりする。
今まではこんな私には恋なんて無関係なものだと思っていたけど、これって恋なのかなってたまに思ったり……。
たまに彼のフォロワーを確認してしまう。その中に女の子がいると、少し胸が苦しくなる。こんな嫉妬深い女だったのかなとか思ったりする。
今まではこんな私には恋なんて無関係なものだと思っていたけど、これって恋なのかなってたまに思ったり……。
『透人君も大変だよね。一緒に頑張ろうね！！ 最近はどんな治療をしているの？』
『薬物療法って言うのをやってるよ！！ もちろん麻薬とか大麻なんかじゃないからね笑』
『もう！ そんなの分かってるよ笑』
封鎖され色を失くした入院生活に花を咲かせてくれる唯一の存在。色は毎日楓がつけてくれるからね。
入院して数日。毎日会っている楓からのメッセージが昼頃届いた。
入院して数日。毎日会っている楓からのメッセージが昼頃届いた。
「あれ、楓、まだ学校のはずじゃ……」
私達が通っている高校は校内の携帯の使用を禁止している。持ち込みは何故かオッケーなんだけど。
『Talkmanがアップデートされたみたい！！』
そのメッセージとともに一枚の画像が。
画像はアプリストア内のTalkmanのページをスクリーンショットしたもの。
画像はアプリストア内のTalkmanのページをスクリーンショットしたもの。
「ほんとだ。アップデート出来るんだ。してみよっと」
私はすぐにアプリストアを開き、アップデートボタンをタッチ。
ダウンロードがスタートした。その間に私はどこがアップデートされるのかをアプリのページで確認していく。
ダウンロードがスタートした。その間に私はどこがアップデートされるのかをアプリのページで確認していく。
「ふーん。アカウントのロック機能に、いいね機能。友達の紹介機能。あとは……電話、テレビ電話機能の追加」
その時アップデートが終了し、私はTalkmanをすぐ開いた。
外見は特に変わっている様子はないけど。試しに楓のメッセージ画面にしてみると、メッセージ送信の横に電話のマークがあるのが分かった。
外見は特に変わっている様子はないけど。試しに楓のメッセージ画面にしてみると、メッセージ送信の横に電話のマークがあるのが分かった。
「電話出来るようになるんだぁ……透人君もアップデートしたのかな……」
スマートフォンが振動した。Talkmanのメッセージが受信された。
それは小南透人君からのメッセージ。
それは小南透人君からのメッセージ。
『Talkmanアップデート出来るみたいだけど、してみた？ 電話とか出来るみたいだね。よかったら今夜電話してみよう』
「でも……ここ病院内だし……」
『でも病院だから無理だよ』
『大丈夫！！ お互い布団に潜って隠れてやろうよ。念のため夜にさ！』
『分かった。じゃあまた夜にね！』
