初めての。
文字数 512文字
私達は毎晩のようにテレビ電話をした。
化学療法が始まってからは少し気が引けちゃったけど、透人君は「そんなの全然気にしないから、美波ちゃんと話せない方が辛いよ」って言ってくれた。
そして今日の夜も通話。
化学療法が始まってからは少し気が引けちゃったけど、透人君は「そんなの全然気にしないから、美波ちゃんと話せない方が辛いよ」って言ってくれた。
そして今日の夜も通話。
透人君はそう言うと笑みがこぼれた。
私はというと心臓がドキドキしていた。
私はというと心臓がドキドキしていた。
ほんとに凄い……。テレビ電話で見える透人君は少し興奮気味でそれでいて嬉しそうに笑顔を私に向けてくる。
なんの恥ずかしげもなくそう言った彼に私はドキッとした。
その時、透人君への想いが恋なんだと初めて知った。
初めて、人を好きになった。