プロローグ
文字数 748文字
季節は春。出会いと別れ。そして桜の季節。
白い清潔なベッドの上で朝日に照らされながら私は呟いた。
私の名前は、香西美波。今年みんなの応援に励まされながらなんとか高校三年生へと進学した。
簡単に自己紹介。今まで恋人がいた事なし。中高一貫のお嬢様学校に在籍しているため当たり前といえば当たり前だけど。
しかし、私はこれから先も恋人を作る予定なんてない。なぜって--。
私の名前は、香西美波。今年みんなの応援に励まされながらなんとか高校三年生へと進学した。
簡単に自己紹介。今まで恋人がいた事なし。中高一貫のお嬢様学校に在籍しているため当たり前といえば当たり前だけど。
しかし、私はこれから先も恋人を作る予定なんてない。なぜって--。
泣きべそが混じったその声とともにこの部屋に入ってきたのは私の幼なじみで親友の秋谷楓。ショートヘアーがお似合いの現役女子高生だ。
楓は私が横になっているベッドに崩れるように倒れると私の方に顔だけを向けてくる。
楓はさらに元気を無くす。だけど楓の気持ちも分からなくはない。女帝と言えば私達の学校でスクールカーストのトップにいる生徒。その生徒に気に入られるかで学校生活が変わってしまう。
もちろんお話したいのはそんなスクールカーストの話じゃない。
もちろんお話したいのはそんなスクールカーストの話じゃない。
自己紹介の続きをするね。
私は白血病。正しくは急性骨髄性白血病。
主に化学療法での治療が行われる。この病気にかかった時は15歳。高校に入学した年だった。
体育のランニング中、体調不良で倒れた。そして病院へと運ばれたが、只の熱中症ではなく、検査の結果、白血病と判明。
当然私は突然のことに困惑した。悲しいという感情は病院で先生の話を何度も聞いているうちに徐々に湧き上がってきた。
私はすぐに入院となり、毎晩涙が枯れるくらい泣いた。
でも、私がしたいのはそんな話じゃなくて。
これからお話するのは私が確かに生きていた、あの一年間……高校三年生の一年間の物語。