第4話
文字数 1,049文字
「さて、そうは言ったものの…」
目標が漠然とし過ぎて何から手を付けていいのか全然わからない。常にクラスの中心にいる桃花と一対一で話せる時間は昼休みくらいしかないのに中庭で行われている秘密の会合は依然としてただのおしゃべりに留まっている。
「私から教えられることは大体話しちゃったし…。楽しそうだと思ったけど探偵ごっこって意外と難しいのね」
「いや桃花にはものすごく助けられたよ、ただちょっと私が追っているものが特殊すぎるだけで…」
「タブーについての情報なんて検索に引っかからないようにできているし、私の立場上人に聞いて回るわけにもいかないしね…」
…言われてみればそうだ。私より交友関係が広い桃花の方が情報収集に向いていると勝手に思っていたけど、実は私が何も知らないよそ者としてやみくもに聞き回った方がいいのかもしれない。そもそも自分の立場もあるのにこんなことに付き合ってくれる桃花にこれ以上の負担を強いてはいけない。
「聞き込みについては私がやった方がいいかもね。桃花に教えてもらうことばかりであまり動けていないし…」
「そうね、お願いしようかしら。そういうのに詳しそうな人については教えるけれど…」
「…ほんと、色々ありがとね」
「あら、いいのよ。立場上色んな人に会ってきたけど、理研特区の秘密について探ろうとした人なんて今までいなかったもの。新鮮で面白いわ」
「そ、そう…?」
「ええ。それにミサキちゃん自身も面白い人だから一緒にいて飽きないわ」
「え、私?」
「金ヶ崎 に対してこれほど遠慮のない子はこの学園であなただけよ」
もしかして今更ながら財閥令嬢の桃花に対してフランクな態度で接するのはまずかっただろうか…と思ったけど、その言葉に反して桃花は嬉しそうだったので大丈夫だろう。
「とにかくもうたくさんもらってきたからこれからは2人の負担を平等にしよう。桃花は家のこともやらなきゃいけないでしょ?」
「ええまあ…。ああ、そういえばそろそろ定期試験もあるわよね…私も成績を落としたらいけないし勉強するためにも一旦情報収集はお休みにしましょうか」
「定期試験…?」
「そうよ、転校してきたばかりのミサキちゃんには酷かもしれないわ。なんたってうちのテストは…」
「…これだ!ありがとう、桃花!」
「えっ、ちょ、ちょっとミサキちゃん…?」
定期試験、これは使える!あれからずっと私のことを腫物扱いしてくるクラスメイトたちの中にだってきっと頭脳を目当てに近付いてくる子がいるに違いない!そのためにも絶対に次のテスト、クラス1位を取る!
目標が漠然とし過ぎて何から手を付けていいのか全然わからない。常にクラスの中心にいる桃花と一対一で話せる時間は昼休みくらいしかないのに中庭で行われている秘密の会合は依然としてただのおしゃべりに留まっている。
「私から教えられることは大体話しちゃったし…。楽しそうだと思ったけど探偵ごっこって意外と難しいのね」
「いや桃花にはものすごく助けられたよ、ただちょっと私が追っているものが特殊すぎるだけで…」
「タブーについての情報なんて検索に引っかからないようにできているし、私の立場上人に聞いて回るわけにもいかないしね…」
…言われてみればそうだ。私より交友関係が広い桃花の方が情報収集に向いていると勝手に思っていたけど、実は私が何も知らないよそ者としてやみくもに聞き回った方がいいのかもしれない。そもそも自分の立場もあるのにこんなことに付き合ってくれる桃花にこれ以上の負担を強いてはいけない。
「聞き込みについては私がやった方がいいかもね。桃花に教えてもらうことばかりであまり動けていないし…」
「そうね、お願いしようかしら。そういうのに詳しそうな人については教えるけれど…」
「…ほんと、色々ありがとね」
「あら、いいのよ。立場上色んな人に会ってきたけど、理研特区の秘密について探ろうとした人なんて今までいなかったもの。新鮮で面白いわ」
「そ、そう…?」
「ええ。それにミサキちゃん自身も面白い人だから一緒にいて飽きないわ」
「え、私?」
「
もしかして今更ながら財閥令嬢の桃花に対してフランクな態度で接するのはまずかっただろうか…と思ったけど、その言葉に反して桃花は嬉しそうだったので大丈夫だろう。
「とにかくもうたくさんもらってきたからこれからは2人の負担を平等にしよう。桃花は家のこともやらなきゃいけないでしょ?」
「ええまあ…。ああ、そういえばそろそろ定期試験もあるわよね…私も成績を落としたらいけないし勉強するためにも一旦情報収集はお休みにしましょうか」
「定期試験…?」
「そうよ、転校してきたばかりのミサキちゃんには酷かもしれないわ。なんたってうちのテストは…」
「…これだ!ありがとう、桃花!」
「えっ、ちょ、ちょっとミサキちゃん…?」
定期試験、これは使える!あれからずっと私のことを腫物扱いしてくるクラスメイトたちの中にだってきっと頭脳を目当てに近付いてくる子がいるに違いない!そのためにも絶対に次のテスト、クラス1位を取る!