第9話
文字数 1,206文字
「…珍しいな、ランキング上位の顔ぶれが変わっている」
ジャスクロランカーに求められるのは愛や歴や課金よりも実力。新システムの謎解きが追加された時には少しランキングが荒れたものの、元々頂点に立つ者たちは効率的なプレイをする頭脳派ばかりだったため王座から引きずり降ろされることはなかった。もちろんボク自身も日々進化するゲームシステムに適応し続けることができている。
「どれ、新参者はどんなプレイヤーだ?えっと…えっ、チームなのか!?」
”Hom&ミサキ”…トップ20ランカーの中では唯一のチームプレイヤーだ。界隈ではソロプレイの方が圧倒的にやりやすいと言われているジャスクロでマルチプレイを選ぶとは…アバターを見る限り友達同士で遊ぶ女子高生か?こんなやつらに抜かれるなんて上位ランカーの質も落ちたな。
”ミサキ”≫”LAMBDA”:初めまして、Homというプレイヤーとタッグでプレイしているミサキです。LAMBDAさんのことは以前から気になっていたのですが一般プレイヤーでは声をかけづらい方だったので、こうしてランキング入りしたことをきっかけに勇気を出してチャットを送ってみました。
「ん?タッグの片割れからチャット…?ランキング入りしてすぐ1位のボクに声をかけてくるなんてやっぱミーハーじゃないか。仕方ないから適当にあしらっておくか」
”LAMBDA”≫”ミサキ”:チャットありがとう。ボク、ランカー同士でもあまり交流しないから確かに話しかけづらいかも
「こんな感じか…?あー、でもチームでどうやってランク入りしたのかは気になるな。聞いてみるか」
”LAMBDA”≫”ミサキ”:そうだ、チームのランカーって珍しいから色々聞かせてよ
「送っちゃった…。ゲーム内とは言えあまり人と話したくはないけど、でもこいつらがどうやって上がってきたのかは気になるし…」
「ん?ジャスクロから通知…?」
授業が終わり帰りにスマホを開くとジャスクロから通知が来ていた。ポップアップで確認できるのはチャットが来ているということまでだが、きっとLAMBDAから返事が来たに違いない!ここで確認してもいいけどどうせなら落ち着ける場所で確認したい。足早に家に向かおうとしたその時…
「あれは…桃花?」
交差点の向こうに正装をして何やら重役っぽい中年男性と歩いている桃花を見つけた。6時間目が終わってすぐ迎えの人と共に教室から出て行ったのはこのためだったのだろう。この歳で接待なんてお嬢様は大変だな。とは言え彼女の家のことは何もわからないし、きっとこれも当たり前のことなのだろうと思い目を離そうとした時、隣にいた男が桃花の身体に触れるところが見えた。桃花は…!?桃花の表情は…笑っている。これも金ヶ崎の接待なのか…!だが今すぐ引き剥がしに行きたい衝動が負けてしまうくらいには私は理性的だった。きっと私が乱入すれば彼女は救われるどころか重い責任を負わされるのだから。
ジャスクロランカーに求められるのは愛や歴や課金よりも実力。新システムの謎解きが追加された時には少しランキングが荒れたものの、元々頂点に立つ者たちは効率的なプレイをする頭脳派ばかりだったため王座から引きずり降ろされることはなかった。もちろんボク自身も日々進化するゲームシステムに適応し続けることができている。
「どれ、新参者はどんなプレイヤーだ?えっと…えっ、チームなのか!?」
”Hom&ミサキ”…トップ20ランカーの中では唯一のチームプレイヤーだ。界隈ではソロプレイの方が圧倒的にやりやすいと言われているジャスクロでマルチプレイを選ぶとは…アバターを見る限り友達同士で遊ぶ女子高生か?こんなやつらに抜かれるなんて上位ランカーの質も落ちたな。
”ミサキ”≫”LAMBDA”:初めまして、Homというプレイヤーとタッグでプレイしているミサキです。LAMBDAさんのことは以前から気になっていたのですが一般プレイヤーでは声をかけづらい方だったので、こうしてランキング入りしたことをきっかけに勇気を出してチャットを送ってみました。
「ん?タッグの片割れからチャット…?ランキング入りしてすぐ1位のボクに声をかけてくるなんてやっぱミーハーじゃないか。仕方ないから適当にあしらっておくか」
”LAMBDA”≫”ミサキ”:チャットありがとう。ボク、ランカー同士でもあまり交流しないから確かに話しかけづらいかも
「こんな感じか…?あー、でもチームでどうやってランク入りしたのかは気になるな。聞いてみるか」
”LAMBDA”≫”ミサキ”:そうだ、チームのランカーって珍しいから色々聞かせてよ
「送っちゃった…。ゲーム内とは言えあまり人と話したくはないけど、でもこいつらがどうやって上がってきたのかは気になるし…」
「ん?ジャスクロから通知…?」
授業が終わり帰りにスマホを開くとジャスクロから通知が来ていた。ポップアップで確認できるのはチャットが来ているということまでだが、きっとLAMBDAから返事が来たに違いない!ここで確認してもいいけどどうせなら落ち着ける場所で確認したい。足早に家に向かおうとしたその時…
「あれは…桃花?」
交差点の向こうに正装をして何やら重役っぽい中年男性と歩いている桃花を見つけた。6時間目が終わってすぐ迎えの人と共に教室から出て行ったのはこのためだったのだろう。この歳で接待なんてお嬢様は大変だな。とは言え彼女の家のことは何もわからないし、きっとこれも当たり前のことなのだろうと思い目を離そうとした時、隣にいた男が桃花の身体に触れるところが見えた。桃花は…!?桃花の表情は…笑っている。これも金ヶ崎の接待なのか…!だが今すぐ引き剥がしに行きたい衝動が負けてしまうくらいには私は理性的だった。きっと私が乱入すれば彼女は救われるどころか重い責任を負わされるのだから。