<TOKOYO DRIVE>の謎
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信長が我が子の成長を誉めるような口振りである。
メガネはハネケを慰めたが、彼女はしょんぼりしたままだ。
彼女の<ボトムストライカー>は再起動していなかった。
だが、安部清明のお陰か、信長たちが搭乗する式鬼シリーズのためか、結界が張られているいるようで、<ブラックナイト>の重力波は全く影響を及ぼしてないようだった。
低い声で答える。
そういうと夜桜の<ニンジャハインド>は飛行ユニットを展開して空中の<ブラックナイト>へと飛び立った。
<ブラックナイト>は幅1kmにも及ぶブーメラン型の衛星であり、空中要塞のように天空に君臨していた。
数十機の<ボトムストライカー>が基底部から攻撃を加えているが、重力砲によって振り払われてしまい、なかなか取り付けないでいた。
<ブラックナイト>の上部攻略部隊も同じで、やはり重力砲の射線をかい潜れなくて近づくことさえできないでいた。
メガネが見えないはずの神霊の清明に鋭い視線を向けた。
(そう、<TOKOYO DRIVE>は元々、異世界侵攻軍の兵器のひとつで、<刀剣ロボットバトルパラダイス>のユーザーたちを奴隷化して兵士に仕立て上げるものだったのだ)
今日の清明は歯切れが悪い。
何か隠してる気もするがするが、ここは訊かない方がいい気がする。
信長が会話に割り込んできた。
魔人眼がメガネを鋭く射抜く。
まるで物理的な熱のように、メガネの皮膚がぴりぴりとした。
信長は笑いながら嬉しそうな表情をしている。
安部清明も空を見上げてメガネの背中を見つめた。
ひょっとすると、オタクたちの成長と奮戦で『未来の大戦の敗戦』が覆るかもしれないという淡い期待を抱いて。