最強のふたり
文字数 1,840文字
魔導師アリス・テスラは黒いフードの奥からまるで月読波奈が見えるかのようにつぶやいた。
波奈の乗る式鬼<
魔導師アリス・テスラは雪嵐の盾を召喚し、炎龍を防御する。
が、炎龍は雪嵐の盾をすり抜けて、魔導師アリス・テスラの黒フードを焼き払った。
月読波奈の<時空眼>との合わせ技で、敵の防御を無効化したのだ。
メガネは驚愕の声を上げた。
焼き払われた黒フードの下から白銀の装甲服のかわいこちゃんが現れたのだ。
しかも、金髪碧眼の美少女だった。
腰には黄金の鞘に収められた大剣が見える。
メガネはうなだれた。
むしろ、その突っ込みは当然であろう。
神沢優は厄介な相手だと思い、凄い勢いで頭脳を回転させていた。
相手が使った術の正体が全く分からなかったからだ。
月読波奈は無言で銀色の双眸を輝かせていた。
アリス・ステラは左手の指でプラズマ球体をもて遊び始めた。
誰を生け贄にするか、考えあぐねてる魔女の瞳はエメラルドの光を放ちはじめた。
アリス・ステラはメガネを馬鹿にするように嘲笑うと、プラズマ球体を巨大化させた。
メガネを護ろうとして、<ボトムストライカー>隊全機、神沢優、月読波奈も立ち塞がる。
<ボトムストライカー>隊全機を包み込むような巨大なプラズマ球体をアリス・ステラは左手から放った。
神沢優は水龍を召喚して、ブラズマの球体の速度を緩める。
雷は陰陽五行では木行に当たり、水に弱いからだ。
そこに、月読波奈が<時空眼>を重ねて、球体をどこかに飛ばしてしまった。
だが、アリス・ステラはその球体の後ろにもうひとつの小さな球体を隠していて、それがメガネたちに襲いかかった。
だが、それも水龍剣の水龍により辛くも防御された。
逆に、
そこにハネケの聖刀<オリハルコン>が炸裂して、半透明な防御シールドが浮かび上がった。
いつのまにか復活したようだ。
信長が戦況を見極めていた。
清明も<ブラックナイト>から<ボトムスストライカー>隊を転移させた<時空魔法>を気にしているようだった。
しかも、<ブラックナイト>はアリス・ステラに戦いを任せ切って静観していた。
もしもの時は清明も戦場にでる覚悟はしていた。
信長は清明の気配を感じてるようだった。
信長はいたずらっ子のように笑った。
最近、何か吹っ切れたのか、伸びやかで朗らかな波動をまとうようになっている。
この方ならやり遂げてくれると思い、清明は重大な決断を下そうとしていた。