第14話:COP21、パナマ文書、熊本地震、英国EU離脱

文字数 2,125文字

 コメについては計7万8400トンを上限に無税輸入枠を創設、牛肉は38.5%の関税を協定発効から16年目に9%まで削減するなど部分的な譲歩で決着した。2015年1~11月の訪日外国人数は、日本政府観光局の推計で前年同期比47.5%増の1796万4400人に達した。円安に加え、日本発着の国際航空路線の拡充をはかった。

 さらに査証「ビザ」発給要件緩和などを背景に過去最高だった14年の年間実「1341万人」を既に上回った。15年年間では1900万人台に達する見込み。訪日観光客が日本を訪れ炊飯器やカメラ、薬、化粧品といった家電やブランド品を爆買いが、注目を集めた。そして今年の流行語大賞にも選ばれた。

 日本百貨店協会によると外国人観光客向けの免税売上高「1~10月」は、前年同期と比べ、約3.1倍の約1610億円。ただ、中国を含む新興国経済の減速に伴い、爆買いの勢いが鈍る可能性も指摘されている。パリ郊外で2015年11月30日から開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議「COP21」は、2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」を採択した。

 新枠組みの合意は現行の枠組みである京都議定書以来、18年ぶりであった。京都議定書が先進国だけに温室効果ガスの削減義務を課すのに対し、パリ協定は、途上国を含む196の全締約国に温室ガス削減目標の提出や5年ごとの見直しを義務付ける。COP21では、初日に安倍晋三首相、オバマ米大統領、習近平中国国家主席ら約150カ国の首脳が参加する会合を開き温暖化対策への決意を確認した。

 協定には、産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満に抑えることを目標とし1.5度未満にするよう努力する方針などを盛り込んだ。やがて2016年となった。2016年2月12日朝、証券会社の担当者から猿島義彦に電話が入りキーエンス株の気配値が51840円と安いから買いと言われ4千株の成り行き買い注文を出すと20736万円で買え残金が38656万円となった。

 2016年4月にタックスヘイブン「租税回避地」の利用実態を暴露した内部資料が、パナマの法律事務所から流出した。約21万法人に上るペーパーカンパニーの情報などで多国籍企業や政治家などが税金が極端に低いタックスヘイブンに所得を移転。そして租税回避を行っていることが、明らかになった。アイスランドのグンロイグソン首相は、資産隠しの疑惑が浮上し辞任した。

 日本の企業や個人も記載されていた。批判の高まりを受け、5月の主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」では過度な税逃れの防止策作りを主導していくことを確認した。そして、経済協力開発機構「OECD」は、具体案を決めて合意した。悪質なタックスヘイブン「租税回避地」を特定して制裁対象のブラックリストに載せるための3要件を決定した。

 2016年4月14日午後9時26分ごろ、熊本県を震源とする地震が発生し益城町で震度7を観測した。地震の規模、マグニチュード6.5で震度7が記録された。16日午前1時25分ごろにも益城町と西原村で震度7の地震が起き、大きさは、阪神大震災と同規模のマグニチュード7.3を記録した。連続した地震活動で震度7が2回観測されたのは49年に震度6の上に7が新設されて以来初めてであった。

 気象庁は14日の地震が前震、16日が本震との見解を示した。この地震による直接死と関連死を合わせた死者は、150人を超えた。住宅被害は約17万8000棟に上り、うち約8300棟が、全壊した。熊本城も天守閣の屋根瓦が、剥がれしゃちほこが、落下するなど、大きな被害を受けた。5月、安倍首相は6月1日、17年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを19年10月に2年半先送りすることを表明した。

 新興国経済の減速など、世界経済が直面するさまざまなリスクを理由に挙げた。もともと予定していた15年10月から17年4月に先延ばしに続き、延期はこれで2度目。酒類・外食を除く飲食料品と新聞に適用する軽減税率の導入も同様に2年半先送りした。安倍首相はこれに先立ち、5月の伊勢志摩サミットで08年のリーマン・ショック時と現在を比較した資料を各国首脳に提示して延期の道筋を付けた。

 消費税増税を回避し、経済成長に軸足を置く姿勢を鮮明にしたが、延期に対し安倍政権の経済政策「アベノミクス」の行き詰まりとの批判も出た。英国は6月の国民投票で欧州連合「EU」からの離脱を決めた。「東欧からの移民流入で職が奪われている」との不満やEUの規制に縛られることへの反発などが背景が、あった。EUから加盟国が抜けるのは初めてである。

 経済規模でEU中2位、世界の金融センター、シティーを擁する英国の離脱は、経済だけでなく政治的に大きな打撃となる。来年に大統領選を控えるフランスなどでは反EUの右派政党が勢いづいた。英国のメイ首相は、来年3月までにEUに離脱を通告し、交渉を開始する方針。労働移民制限はできないが、EU単一市場からは出ずに自由貿易の恩恵を受けられる形態、もしくは、単一市場から離脱し移民制限を徹底する選択肢が検討される。
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