第10話:東日本大震災、円高、株安、ビンラディン殺害

文字数 2,046文字

 この時、猿島義彦は、娘の猿島清子に
「母の仏壇においてある桐の箱を明けて、この骨は、母の骨だと言うと驚いた」
「君を生んで、君を抱こうと思い肌に触れた」
「その後、病気が悪化して10日過ぎに無念の最期を遂げた」
「その話をすると清子は、声を上げず、涙だけがこぼれ落ちた」

「なんて可愛そうなんだろうと、ボロボロと泣き出した」
「そして、その骨にほおずりした」
「その姿を見ていた、父と祖父母ももらい泣きした」
 最後に清子は、
「可愛そうな母の分まで頑張ってしっかり生きて行くわと唇をかみしめた」

 その出来事の後、清子は、今まで以上に真剣に机に向かって勉強を続けるようになった。2011年も初詣に行き家内安全、娘の学力向上、投資の成功を祈願して多めのお賽銭を置いた。ところが、2011年とんでもない大事件が起きた。2011年3月11日14時46分、宮城県沖で国内観測史上最大のマグニチュード9の巨大地震が発生した。

 15時半前後には、大津波が、東北の沿岸部を次々と襲った。宮城、岩手、福島の3県を中心に死者は、約1万5800人、行方不明者は約3500人に上った。東京電力福島第1原発では電源が止まり原子炉は冷却機能を喪失。核燃料が溶け1~3号機は炉心溶融「メルトダウン」が起きた。1、3、4号機は水素爆発により原子炉建屋が大破。放射性物質が大量に放出される最悪の事態に陥った。

 国土地理院によると青森から千葉までの6県の浸水面積は561平方キロ。津波はすさまじいエネルギーで家屋や港湾、工場施設などを破壊。政府の試算では、地震・津波による住宅などの直接的被害は16兆9千億円に達する。ピーク時には約47万人が避難し国内外から支援の手が差し伸べられた。原発事故に見舞われた福島県では警戒区域「半径20キロ圏」への立ち入りが制限されたほか各地で除染作業が行われた。

 放射性物質に汚染された農産物が関東などでも見つかるなど農林水産・畜産業も大打撃を被った。政府・東電は「冷温停止状態」を宣言する見通しだが、廃炉までには30年以上かかるとされる。東日本大震災による東京電力福島第1原発事故などの影響で、各地で電力供給不足が深刻化した。東電管内では震災直後、地域ごとに送電を一定時間止める「計画停電」を実施した。

 電力需要が高まる夏場の7月1日~9月9日には、政府が東電と東北電力の管内で37年ぶりに「使用制限」を発動した。対象企業だけでなく個人も節電に大わらわとなった。一方、定期検査で運転を停止した原発の再稼働に地元自治体が同意しない事件が続出。地震、津波の危険性が指摘された中部電力浜岡原発は5月、政府の要請で運転停止に追い込まれた。

 全国54基の原発のうち年末時点で稼働しているのは僅か。原発依存度の高い関西電力と九州電力の管内では、供給不足をカバーするため冬場の節電目標を設定した。東日本大震災や欧米経済の先行き不安などを背景に円相場が歴史的な高水準で推移し輸出企業の海外移転による国内産業の空洞化に懸念が強まった。最初の円急騰は2011年3月17日に始まった。

 震災前、1ドル82円前後だった円が投機筋の思惑買いで76円25銭を付け1995年に記録した戦後最高値「79円75銭」を16年ぶりに更新した。翌日に先進7カ国「G7」は、11年ぶりの協調介入に踏み切った。その後も日米金利差の縮小観測や欧州債務危機を受けドルやユーロを避けた投資資金が比較的安全とされる円に向かう流れが継続した。2011年10月31日には一時75円32銭を付けた。

 政府・日銀は8月に続いて単独で円売り介入を実施した。介入額は1日としては最大の7兆7千億円程度と推計されているが円高基調に大きな変化は出なかった。2011年5月1日、米軍は、パキスタンの首都イスラマバード北方約50キロのアボタバードで2001年の米同時テロの首謀者とされる国際テロ組織アルカイダの首領ウサマ・ビンラディン容疑者の潜伏先を急襲し同容疑者を殺害した。

 オバマ大統領は緊急声明を出し「米国はやると決めた事は何でも達成する」と10年間続いた米国の対テロ戦争で最大の成果を誇った。一方、アルカイダは、6月16日、後継指導者にナンバー2でエジプト人のアイマン・ザワヒリ容疑者を指名した。「ジハード『聖戦』継続」を宣言した。1957年にサウジアラビアで生まれイスラム過激派による国際テロの黒幕と呼ばれたビンラディン容疑者に対する急襲作戦は、米特殊部隊が極秘に遂行した。

 パキスタンへの事前通告がなく両国関係は、急速に険悪化した。2011年9月6日、早朝、SPDRゴールド・シェアの気配値が、14210円と出たので、全株、千株を成り行き売り注文を出すと14300円で全株が売れた。その結果、税引き後利益が5032万円となり残金が8112万円となった。2011年12月10日土曜の夜更けから11日、日曜日の未明にかけて日本全国で赤銅色の皆既月食を観測することができた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み