第25話:ロシアが旅客機を撃墜?!

文字数 1,506文字

 そして、同じ航空機の残骸が国境からウクライナ側へ40キロのドネツィク州グラボベ近郊に落下した。2014年3月8日のマレーシア航空370便の墜落事故に続き2度目のマレー航空機が撃墜された。この事件はドンバス戦争で親ロシアの反政府勢力が支配下としていた地域で発生した。

 当該航空機との通信が途絶えてから約1時間後、ドンバス地域で分離主義勢力を率いていたE・Gは自身のVKontakteアカウントで人民兵からの報告としてウクライナ軍のAn-26輸送機が撃墜されたと主張した。グラボベ近郊に落ちたその残骸が民間旅客機だと明らかになった。E・Gは、この主張を撤回し航空機撃墜への関与を否定した。

 犠牲者の多くがオランダ人なので事故調査はオランダ安全委員会とオランダ主導の国際合同捜査チームで行われた。2015年10月の最終事故調査報告書では東部ウクライナの親ロシア分離主義に支配された地域から発射された地対空ミサイル「ブーク」による撃墜と結論付けられた。オランダ主導の国際合同捜査チームによると使用されたブークは元々ロシア連邦の第53対空ミサイル旅団にあったものた。

 そして、撃墜当日にロシアから輸送され反政府勢力の支配地域である場所から発射され、その後ロシアへと戻された。オランダ安全委員会とオランダ主導の国際合同捜査チームによる調査結果はアメリカ合衆国やドイツの諜報機関が主張していた内容とウクライナ政府の主張と合致するものだった。

 オランダ主導の国際合同捜査チームの結論に基づきオランダ政府とオーストラリア政府はブークの設置配備に関してロシアに責任があるとして、2018年5月以降これを追及する法的手段を模索した。2019年6月19日、オランダ主導の国際合同捜査チームが組織され
調査することになった。オランダ主導の国際合同捜査チームはイーゴリ・ギルキン「ロシア連邦保安局元大佐を起訴すると発表した。

 さらにセルゲイ・ドゥビンスキー「ロシア参謀本部情報総局職員」、オレグ・プラトフ「ロシア参謀本部情報総局特別部隊元兵士」、レオニド・ハルチェンコ「ウクライナ人、反政府戦闘部隊指揮官」らを殺人罪で起訴すると発表した。ロシア政府は航空機撃墜への関与を否定した。Bellingcat「オランダに本拠を置く調査報道機関」はロシアが航空機が撃墜された方法の説明をその時々で変えていたと主張。

 ロシアメディアの報道も他国の報道とは異なるものだった。ロシアとしては、戦争空域において民間機の飛行を許可したウクライナ政府の落ち度である、との見解である。2019年6月20日、マレーシアのマハティール・モハマド首相はギルキンらの起訴の報を受け、JIT「オランダ主導の国際合同捜査チーム」の結論を「ばかげている」と非難した。

「この件は最初から、いかにロシアの犯行として非難するかという政治問題になった」との考えを表明した。さらに「今のところ証拠はなく、伝聞情報しかない」とし、ロシア側の関与を示す証拠を求めた。ただしマレーシアはJIT「オランダ主導の国際合同捜査チーム」に参加しており、同国外務省は捜査結果を支持する声明を出した。12月4日、円安となり一時1米ドル120円台をつけた。

 2015年が明け、1月20日に2014年の訪日外国人が最多の1341万人なったと発表された。2月1日「イスラム国」ISがジャーナリストの後藤健二さんを殺害したとする映像を公開。1月24日には会社経営者の湯川遥菜さんが殺害されたとみられる画像が公開された。3月14日に北陸新幹線の長野~金沢間228キロが開業して東京-金沢を最短2時間28分で結ばれた。
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