第27話:行動制限、政策とワクチン

文字数 1,550文字

 2020年が明け1月16日、国内で感染者が初めて確認された。感染者は中国・武漢から帰国した神奈川県の男性だった。2月5日、大型クルーズ船・ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員のうち10人から新型ウイルスの感染が確認された。2週間後、せきや発熱がなくウイルス検査で陰性だった乗客は公共交通機関などで帰宅したが、その後、感染が判明した乗客もいた。

 1月後半になると、国内の店頭ではマスクが品薄になった。ほかにも除菌スプレーや除菌シートなどの衛生用品にも欠品がでた。インターネット上では高額転売とみられるマスクの出品が目立った。そこで、政府は、その後、3月にマスクの転売を禁じることを閣議決定した。2月、新型コロナウイルスの感染拡大につれ使い捨てマスクだけでなくトイレットペーパーやティッシュペーパーが店頭で品薄になった。

「ふるさと納税」の返礼品にトイレットペーパーを扱う愛知県春日井市と岐阜県本巣市が申し込みが殺到し、発送が追いつかないため3月2日から「ふるさと納税」受け付けを停止した。3月24日、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会「IOC」のバッハ会長が電話で協議し1年程度の延期を検討することで合意した。

 東京駅前に設置されたカウントダウンクロックは延期が決まった翌日には現在の日付と時刻が表示される様になった。4月7日、安倍首相は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に特別措置法に基づく緊急事態宣言を出した。4月16日には対象区域を全国に拡大した。4月、新型ウイルスの感染拡大で週末の外出自粛要請された東京都内ではデパートや飲食店の臨時休業が目立った。

 また買い物に訪れる客もまばらだった。安倍首相が新型コロナウイルスの感染防止策として全戸に配ると打ち出した布マスクの配布が4月17日から東京都内の一部で始まった。そして、マスクの枚数は全国の各家庭1世帯につき2枚とした。それに投じた予算は約466億円で費用対効果などに疑問の声が上がった。スーパーやコンビニのレジでは一定間隔を空け密閉空間を避けた。

 マスクの着用や手洗い、うがい、そしてテレワークなど新しい生活様式が少しずつ日常にもどってきた。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業への支援策「Go・To・トラベル」が7月22日、東京都を除外して始まった。しかし、10月1日から東京都も対象になった。感染拡大を受け、政府は11月に札幌市と大阪市を「Go・To・トラベル」から一時除外を決定した。

 その後、年末年始を集中的に感染拡大を抑える期間と位置づけ全国一斉に停止を表明した。10月、政府が飲食店を支援する「Go・To・イート」が始まった。新潟県では5日、全国に先駆けて25%のプレミアム付き食事券を販売した。国内感染は勢いを増し、11月半ばには「Go・To・イート」は人数を4人以下に制限する動きが出て店側に不安が広がった。

 厚生労働省は12月26日、英国に滞在歴のある都内在住の30代男性と、その濃厚接触者の20代女性の2人が感染力がより強いとされる新型ウイルスの変異種に感染していたと発表された。12月27日には新型ウイルス感染者が合計8人に増加した。菅義偉首相は2021年1月7日、2度目の緊急事態宣言を東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏4都県に出した。

 期間は1月8日~2月7日とした。7日の東京都の新規感染者数は22時点で2447人、全国では7571人と、いずれも過去最多を更新した。2021年が明け、1月2日、福岡県在住の田中カ子が生年で確証のある日本人として初めて118歳を迎えた。2月3日、改正新型インフルエンザ対策特別措置法が参院本会議で可決・成立。そして、施行は2月15日からとなった。
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