睡魔に打ち克つスパイス
文字数 905文字
どうしても眠気が覚めず、与えられた役目を全う出来ない。
コレがガーゴイルの悩みでした。
石で出来た魔法生物の彼に、そもそも睡眠が必要なのか?
色々と疑問が湧く話ではありますけどね。
彼自身が考案した解決策は刺激的な味の料理を食べるショック療法でした。
効果が一時的でその場しのぎな気がしますけど…。
とにもかくにも、この先もお世話になるみたいなので2人は手伝う事にしました。
刺激的な味と聞いて最初に思い浮かんだのはスパイス。
スパイスといえばカリー。
ピン!と閃いたすずは早速調理に取り掛かりました。
辺りにスパイスの豊かな香りが漂います。
ただ…
そのルーはマグマの様に煮えたぎり、触れたサフランライスが炭化を始めています。
いったい、どんな調理法を用いればこんなルーが完成するのでしょう?
明らかに危険なビジュアルですがランカは止めません。
ガーゴイルは長い舌でカレーを器用にすくい取って、一口で平らげてしまいました。
大丈夫でしょうか?
ガーゴイルの身体が小刻みに震えています。
正に究極の料理と言えるであります!!
こんな美味しい料理を作って来ていただいてとても恐縮でありますが…。
残念ながら少々刺激が足りないようであります。
もっと不味くてドギツイ味の方が今の自分にとっては…ありがた…い…でありま…す
美味しさの衝撃で少しの間は目が覚めた様ですが…。
どうやら石像の彼にはスパイスの辛味など通用しないみたいです。
再び睡魔に襲われるガーゴイル。
意識が遠退く夢の狭間で、昔訊いた話の続きを思い出していました。
「魔法…毒…キノコ…?」
どうやらこのキーワードに解決策が隠されている様です。
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