汚された思い出

文字数 389文字

2人はその光景にしばらく言葉を無くしました。


「酷いの…」


身体に悪そうな青緑の水。


やっぱり魚の姿がありません。


そして川底には大量のゴミが沈んでいました。


空き缶やペットボトル、古タイヤにプラスチックの鉢。


冷蔵庫やテレビまであります。


「ねぇねぇ、このままじゃ川が死んじゃうよ」


見ていられないという様子のランカは汚れた川の中に入ってゴミを拾い始めました。


川の水は冷たく、噂通りの嫌な臭いがしました。


まるで川そのものが腐ってしまった様です。


必死に拾い続けるランカ。


でもいくら拾ったところで数え切れないゴミの中の一部に過ぎません。


「私たちだけでゴミを拾っても仕方ないの」


すずはここで2人がゴミを拾い続けても無理だと感じました。


止める様に声を掛けますがランカは聞く耳を持たずに黙々とゴミ拾いを続けます。


実は少しムキになっていました。


想い出の詰まった千年川が汚れたままなのは許せなかったんです。

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登場人物紹介

鈴音(すずね)


修道院の貧困を救うためにお金を稼げる大人を目指している孤児院出身の女の子。

努力と根性で高名な魔法学校に次席入学を果たした。

過去に壮絶な死別を経験しており、食べ物を粗末にする事を極端に嫌う。

明るく積極的で協調性にも優れ友達が多い。

しかし実は周囲の生徒と価値観が合わず、本当の友達と呼べるのはランカ一人しかいない。


演者:CHOCO鈴音

蘭華(ランカ)


すずねの親友で魔法学校を主席で入学した秀才。

天才肌で大抵の勉強は授業のみで覚えられる。

しかし将来に対して何の希望も目標も持てず悩んでいる。

明るく行動的なすずねに刺激を受けてうわさ話を追いかけている。

意外と抜けている一面も。

好物はラーメン。


演者:CHOCO蘭華

亀谷商店のトメさん


駄菓子屋の店主をしている蘭華のおばあちゃん。

とっても優しくて、すっごく恐い。


演者:無糖あず

※本作の監督です。トメさん役が見つからずピンチヒッターとして俳優デビュー。二次創作“君影草と魔法の365日”の作者。

消えた石像


とっても恐い形相をした石像。

魔法学校の玄関に2対飾られている。


演者:猫威ガーディー

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