モケーレムベンベ

文字数 691文字

ランカは1人でゴミ拾いを続けています。

気付いた時にすずはいなくなっていました。

手足はかじかんでキリキリ痛みます。

なのにゴミはちっとも無くなりません。

「やっぱり無理だったかな…」

心が悲しみで暗く染まりそうになった時…。

突如、水面が膨らんだかと思うと水中から巨大な何かが姿を現しました。

嫌な臭いを撒き散らすヘドロの様な何か…。

「ベンベベンベ~ッ! モゲモゲッ!」

彼女の10倍は有ろうかという巨体を大きく震わせて、何かを必死に叫んでいました。

どうやら噂の怪物の様です。

『川が汚れたのってやっぱりあの子のせい?』

そんな考えが頭をよぎりました。

なぜなら、汚い青緑な水のヌメヌメにそっくりな色をして、同じ凄い匂いがします。

あんな怪物に襲われたらひとたまりもありません。

ランカは身体が硬直して動けなくなってしまいました。

その時!

「ランカ!!」

すずがホウキにまたがり猛スピードで突進して来ました。

覚えたての空を低空で飛ぶ魔法です。

そして…そのままバランスを崩してランカと怪物の間に落っこちました(汗)

・・・・・・。

「お待たせ!」

大きな水しぶきが収まったソコには両手を広げたすずが立っていました。

すずが飛んで来た向こうからはクラスメイト達が走って来ます。

「皆に声を掛けてたら遅くなったの」

ランカは嬉しくて涙が出そうになりました。

すずはゴミ拾いが嫌で立ち去ったのでは無かったんです。

まだ使える魔法の少ない入学したての魔法使い。

帽子のチャームは1つだけ。

でも千年川とクラスの仲間を守る気持ちは誰にも負けません。

すずを先頭にクラスメイト皆がヘドロの怪物と対峙します。

ところが…。

「ねぇねぇ、ちょっと待って」
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登場人物紹介

鈴音(すずね)


修道院の貧困を救うためにお金を稼げる大人を目指している孤児院出身の女の子。

努力と根性で高名な魔法学校に次席入学を果たした。

過去に壮絶な死別を経験しており、食べ物を粗末にする事を極端に嫌う。

明るく積極的で協調性にも優れ友達が多い。

しかし実は周囲の生徒と価値観が合わず、本当の友達と呼べるのはランカ一人しかいない。


演者:CHOCO鈴音

蘭華(ランカ)


すずねの親友で魔法学校を主席で入学した秀才。

天才肌で大抵の勉強は授業のみで覚えられる。

しかし将来に対して何の希望も目標も持てず悩んでいる。

明るく行動的なすずねに刺激を受けてうわさ話を追いかけている。

意外と抜けている一面も。

好物はラーメン。


演者:CHOCO蘭華

亀谷商店のトメさん


駄菓子屋の店主をしている蘭華のおばあちゃん。

とっても優しくて、すっごく恐い。


演者:無糖あず

※本作の監督です。トメさん役が見つからずピンチヒッターとして俳優デビュー。二次創作“君影草と魔法の365日”の作者。

消えた石像


とっても恐い形相をした石像。

魔法学校の玄関に2対飾られている。


演者:猫威ガーディー

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