美しく燃える森
文字数 1,305文字
もうさっそく2枚目のシングルをどうするか。
売上には関係なく、出すことが決まっていた。
そんな時、ふと玖蘭さんと笑可がゆりあさんをZoomで交えて雑談する機会に恵まれた。
「ゆりあさんのバンド、そこそこ気に入ってたから私残念だよ。フランスはどう?」
「バンド・デシネ読んでみたりしてる。あとは羊毛フェルトの猫が笑可ちゃんから届いたから家事の合間にかわいがってるよ」
「ありがとうございます」
「フランスのワイン美味しすぎて飲んじゃう」
ゆりあさんはワインのコルクを開けて、赤ワインを注いでいく。
画面越しの玖蘭さんも「それじゃ私も〜」と言いつつチョコレートリキュールを牛乳で割ったものを飲み始める。
それを見ながら隣の笑可は「いいなぁ。大人の女性たちでお酒飲んで仲良くして」と言った。
「あと3、4年したら堂々と飲めるから辛抱よ」
「最近のマイブームは?」と玖蘭さんが2人に尋ねる。
「猫漫画読むこと」とゆりあ。
「私はTikTokでオリジナル曲を発表してる人を見ること」
「ボクはたむちゅーぶ見まくることです」
3人が河村隆一さんのモノマネする田村さんのモノマネしてよと言うので、あなたをぉぉ、だきしめてぇえん。ふふぅふぅん! とモノマネすると爆笑の渦。
「えっと、2枚目のシングルどうしたらいいですか?」
笑可が2人に尋ねる。
「じゃ、ゆりあさんとは初対面に近いけど私と一緒に共作で曲作ってみません?」
「……今回だけだよ? Aメロの前半とサビの後半、Cメロ私が作るってことでいい?」
玖蘭さんに尋ねるゆりあさん。
「了解ー。ゆりあさん、音楽やらないって言いつつアコギ持ってるじゃん」
「なんとなく向こうで買っちゃった。それじゃ始めよ」
ゆりあさんが歌い出し、途中で玖蘭さんと代わる。
2人とも即興で歌詞を歌っている。
片想いをテーマにした歌であった。
「今の曲、コード譜を付けてあとでLINEにも笑可ちゃんの家にも送っとくからそれ見てバンドでやってよ」
温かく声をかける玖蘭。
「作詞作曲の欄に私の名前載るの、みんな驚くだろうな」
「ゆりあ先輩とはいつか音楽的交流持ちたかったので引退する前に接点持ちたかったです」
「忘れたいと思ってても、何だかんだ体が覚えてる物ね。3人のためにやってみただけでやっぱり当分はフランスの街を堪能してたいな。
音楽なんていつでもできるし、それに売れなかったトラウマは消えないし」
「まあそんな時は酒でしょ」
玖蘭さんはリキュールを注ぎ、牛乳で割りつつ飲んだ。
「そうね、カンパーイ」
ゆりあさんも赤ワインをハイペースで飲む。
2人の話題はなかなかいない男がいないという愚痴に発展し、あとはCD20万枚売れないかなとかMV撮影って大変だよねとかそんな話題に転がっていった。
2人に笑可は高校に通い始めたことを祝われ、照れていた。
サプライズで2人がそれぞれ笑可を励ますオリジナル曲を披露し始め、彼女はうれし泣きしてしまった。
「ほへへ、えみかひゃんおめれとぉ!」
普段のクールな印象とは打って変わって、テンション高くゆりあさんが言った。
そしてボクも交えて美しく燃える森をセッションした。
ボクは山沢さんから伝授されたタンバリンを振り、場を盛り上げた。
売上には関係なく、出すことが決まっていた。
そんな時、ふと玖蘭さんと笑可がゆりあさんをZoomで交えて雑談する機会に恵まれた。
「ゆりあさんのバンド、そこそこ気に入ってたから私残念だよ。フランスはどう?」
「バンド・デシネ読んでみたりしてる。あとは羊毛フェルトの猫が笑可ちゃんから届いたから家事の合間にかわいがってるよ」
「ありがとうございます」
「フランスのワイン美味しすぎて飲んじゃう」
ゆりあさんはワインのコルクを開けて、赤ワインを注いでいく。
画面越しの玖蘭さんも「それじゃ私も〜」と言いつつチョコレートリキュールを牛乳で割ったものを飲み始める。
それを見ながら隣の笑可は「いいなぁ。大人の女性たちでお酒飲んで仲良くして」と言った。
「あと3、4年したら堂々と飲めるから辛抱よ」
「最近のマイブームは?」と玖蘭さんが2人に尋ねる。
「猫漫画読むこと」とゆりあ。
「私はTikTokでオリジナル曲を発表してる人を見ること」
「ボクはたむちゅーぶ見まくることです」
3人が河村隆一さんのモノマネする田村さんのモノマネしてよと言うので、あなたをぉぉ、だきしめてぇえん。ふふぅふぅん! とモノマネすると爆笑の渦。
「えっと、2枚目のシングルどうしたらいいですか?」
笑可が2人に尋ねる。
「じゃ、ゆりあさんとは初対面に近いけど私と一緒に共作で曲作ってみません?」
「……今回だけだよ? Aメロの前半とサビの後半、Cメロ私が作るってことでいい?」
玖蘭さんに尋ねるゆりあさん。
「了解ー。ゆりあさん、音楽やらないって言いつつアコギ持ってるじゃん」
「なんとなく向こうで買っちゃった。それじゃ始めよ」
ゆりあさんが歌い出し、途中で玖蘭さんと代わる。
2人とも即興で歌詞を歌っている。
片想いをテーマにした歌であった。
「今の曲、コード譜を付けてあとでLINEにも笑可ちゃんの家にも送っとくからそれ見てバンドでやってよ」
温かく声をかける玖蘭。
「作詞作曲の欄に私の名前載るの、みんな驚くだろうな」
「ゆりあ先輩とはいつか音楽的交流持ちたかったので引退する前に接点持ちたかったです」
「忘れたいと思ってても、何だかんだ体が覚えてる物ね。3人のためにやってみただけでやっぱり当分はフランスの街を堪能してたいな。
音楽なんていつでもできるし、それに売れなかったトラウマは消えないし」
「まあそんな時は酒でしょ」
玖蘭さんはリキュールを注ぎ、牛乳で割りつつ飲んだ。
「そうね、カンパーイ」
ゆりあさんも赤ワインをハイペースで飲む。
2人の話題はなかなかいない男がいないという愚痴に発展し、あとはCD20万枚売れないかなとかMV撮影って大変だよねとかそんな話題に転がっていった。
2人に笑可は高校に通い始めたことを祝われ、照れていた。
サプライズで2人がそれぞれ笑可を励ますオリジナル曲を披露し始め、彼女はうれし泣きしてしまった。
「ほへへ、えみかひゃんおめれとぉ!」
普段のクールな印象とは打って変わって、テンション高くゆりあさんが言った。
そしてボクも交えて美しく燃える森をセッションした。
ボクは山沢さんから伝授されたタンバリンを振り、場を盛り上げた。