カラスくんのすきなもの第2話

文字数 468文字

 第2話

ボクは今日もくるみ割りを失敗してしまった。


「それじゃあ、いつまでたっても食べれないぞー」


そう言って、みんながボクを笑うんだ。

だからボク悔しくて、その場から飛び立ったよ。みんなに馬鹿にされないよう、静かに練習するためにね。

車通りの多い道を避けて、みんなの目につかない、一本奥の脇道へとやってきたんだ。


ここなら集中して練習が出来るぞ。


そこは、道路脇に一本の木が立っているだけの細い田んぼ道、車は全然通らなかった。だけどこの木は羽を休めるにちょうどいい。車が来るまでここで気長に待つことにしたよ。


ボクはくるみをくわえて木にとまった。


車、来ないな。

それどころか、何も来ない。

これじゃあ練習にならないよ。

嫌だけど、またみんなのとこに戻るかな……


あきらめかけたその時に、


たたたたたたた……


音が聞こえてきた。


人間の子供が走ってくる!

しめしめ

よし、あの子供でタイミングの練習をしてみよう。あわよくば踏んで割ってくれたら嬉しいな♪


ボクはわくわくした。

木から飛び立ち、子供を上から見下ろした。

子供の走るスピードは一定、ならばチャンスは今だ!




コツン!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み