第8話 謙介4

文字数 913文字

 ブラックランクになると、早速クラブに連絡して、先日写真を見せてくれたシークレットのモデルや他のモデル、レースクイーンやグラビアアイドルなどの芸能関係の女の子を紹介して欲しいと頼んだ。
 すると、8人の女性の写真が送られて来た。1番上にこの前見たモデルの女性もいた。
 写真をもう一度見たが、高身長で目鼻立ちのはっきりした派手な感じの美人である。まさに女性向けファッション雑誌の表紙に載っているような顔をしていて、非日常的な存在だ。 
 しかし、あれほど焦がれていたのだが、いざ申し込みをしようと思うと、謙介は怖気付いた。
 クラブの人が1番に彼女の写真を見せたのは、たぶん店の看板のようなポジションなのだろう。
 彼女のような派手な美人が付き合うのは、大金持ちのパパか、イケメンの若い男だけではないだろうか?
 自分のような、金持ちでない、ただの会社員で、しかも初老の男が相手される訳ないのではないか?
 彼女のタイプはCになっていた。
 謙介はオファーするならCタイプがいいと考えていた。Aタイプはやはり物足りない。友人や知り合いでなく、愛人なのだから大人の付き合いは必須である。Bタイプでは相手にされないのではないだろうかと思われた。かといって、Dタイプはプロの女性のみたいで嫌である。
 彼女はCタイプだが、あくまでフィーリングが会えば、大人の付き合いもオッケーということなので、断られることもあるだろう。いや、自分とはあまりに釣り合いが取れない。相手にされない可能性が高いように思われた。
 
 やはり普通のOLにしようか、それも年配の。
 そう思いながら、残りの写真を見てゆくと、最後の8人目の女性に目を奪われた。
 年齢は32歳であったが、藤色の薄手のふわっとしたドレスを着ていて、年齢よりも落ち着いた雰囲気に見えた。
 背が高く、長い髪をした目の大きな美しい女性だった。控えめでおとなしそうな感じで、どことなくガッキーに似ているようにも思われた。
 職業は芸能関係となっていた。たぶん女優なのだろう。タイプはCとなっている。しかも、プラチナクラスであり、セッティング料は5万円である。
 申し分ない。
 謙介は彼女とのセッティングを申し込んだ。
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