第21話 謙介10

文字数 347文字

 まいとの約束の日の二日前に、思いがけず彼女からメールが来た。
 女の子の日になってしまったけど、それでもいいか?会えるか?という内容であった。
 謙介は落胆した。何と不運な。
 そして、どう返事すべきか言葉に詰まり、迷っていた時、ふと疑念が浮かんだ。
 もしかして彼女は自分を試しているのではないか?
 ただの身体目当てなのか、セックスなしでも会う気があるのか、こちらの気持ちを推し量ろうとしているのではないだろうか?

 もちろん彼女の身体だけが目当てではない。しかし、彼女のすべてを愛したい。
 それが出来ないなら、せめてキスや胸だけでもいい。
 どういう文を書いたら、いやらしい感じや下品な感じにならないのか、さんざん迷った挙句、
「もちろん。大丈夫です。ただ、上半身だけは愛させてください」とだけ送った。
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