さよなら人類

文字数 828文字

いろんなニュースを見聞きする。

介護施設の送迎車が全焼、… 運転していた人が、中にいた高齢者を、自分のことよりその人を助け出そうとして火だるまになった…

こういうニュースを知った時、なんともいえない、つらい気持ちになる。


そして俺自身は火だるまになったことがない。それでも、その助け出そうとして全身に大やけどを負った人が、どんなに熱かったろう、どんなに苦しかったろう痛かったろう…と、その人自身になったような、その人に同化したような、その人のことがわかったような気持ちになる。

それはお前に限った話じゃない。

人間に生来備わっている素晴らしい性能だよ…

人の立場、気持ち… その人に、自分ではないのに、その人のそういうところに行けるというか。

ほんとにすごい能力だよね。

でもそういう能力を持っているからこそ、「こうしたらこいつはイヤな思いをするだろう」とか「こうしたら苦しむだろう」とわかって、SNSや何かで攻撃することもできてしまうんだ。

悲しいというか、哀れなことだ。

そういうことができる人間がね。

せっかく備わっている性能を…

優しさと残酷性、聡明さと愚鈍さ… 対極のもの、複雑なもの、単一でないものが混ざり合ってヒト一人、個人、人間ってやつは出来上がっているんだ。

自分の中をよく見てみろよ。一人の人間の中をよく見てみろよ。誰も、一辺倒な、まっすぐな道のようには出来ていない。

たった一人の人間の中でさえ、そうなのだ。

自分をよく見つめること…

その中で両極端にあるもの、その一方が愚劣とか悪だと判断されるもの、それを自分の中で大きくさせないようにすること…

ほんとうに人間、一人の中に、人間の中にはすごい可能性があると思うんだ。
そうなんだけどね…

さて今回の曲、「さよなら人類」。

ちょっとナナメから物を見て歌っているようなキーボード奏者がボーカルもつとめている。

面白い曲だよ。ずいぶんヒットした。

物事をいろんな角度から、場所から見る… たいせつなことだよな、何としても、それは。
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