第9話

文字数 1,427文字

職場のヤングマンとアラフォー女子が、チェリオについて甚だしく誤解をしておるのだった。

ことの発端は今日帰りがけに、生活介護施設で利用者さまたちと作っている自然素材のパンを安く買って帰ろうとしたところ、アラフォー女子が、「いつもそのパンどこで食べるんですか?」と鋭い質問を挟んだ事に始まる。ちなみにこの女子だが、スレンダーな美女である。そしてその場に居合わせたヤングマンは、体育会系陰キャのイケメン。

ぼくはニヤリと笑って、チェリオのね、と説明を始めた。

要するにチェリオの110円のカフェオレが安定の美味さなので、それ売ってる自販機の前で、カフェオレ飲みながら今日はこのパン食べると思う、って言いたかったのだが。

しかし二人にはチェリオのカフェオレが通じないのみならず、『チェリオといえば』『不健康そうな炭酸のイメージ』と、半分は今でも確かに正解なのだが、半分はチェリオをみくびっているとしか思えない発言を連呼し、興味津々に、『チェリオって全部110円なんですか?』とか聞いてくる始末で、チェリオについて何も知らないし、今までまったく関心がなかったかのごとくなのだった。

チェリオは大体百円で売っているけれど、そのチェリオが110円取る時には、結構本気出してくるんだわ、とぼくは言った。要するにチェリオの百円のカフェオレはたしかそんなにうまくもないのだが、この間試みに買ってみた110円の方のカフェオレはかなり美味かった気がするのだ。

で、実際この二人とバイバイして別れて家路につき、帰り道で件のカフェオレを買ってみたのだが、確かにまあ美味かった。けど、この間飲んだほどの感動でもなかったのは、昨日は2月の20日で、もう寒さが和らぎかけてきているからか。

いずれにせよ、このところチェリオはかなり頑張っているのに、世間的にはまだかの如きイメージで捉えられているのか!と思い知った次第です。

チェリオの頑張りを挙げると、サン○リーなんかがペットボトル一本160円ぐらい普通に取る、このご時世に、大体一本100円でペットボトルも売り、しかも麦茶なんかは160円のやつよりか美味かったりするのだ。

それに加え、チェリオの冒険的な姿勢は評価出来る。台湾カステラソーダとか、どんな色物かと思いきや、意外と美味かったりして、単発で変なものを色々出すのもオモシロイところだ。

その中で、一昨年くらいに発売したレインボーティーは、優れたヨガティーと呼びたいほどの出来で、美味さと健康への寄与度がずば抜けていた。素晴らしいハーブティーだったのだが、これが一年後にはレインボーウォーターという、果汁入りミネラルウォーターになってしまい、まことに残念な次第であった。

レインボーティーの味を忘れてしまったが、飲めるならもう一度飲みたい。無論これも百円。

一昨年くらいから、自販機の世界に価格破壊が生じており、30円から170円までと、一本のドリンクがかなりの価格差で売られている。で、30円だから質が悪いか、まずいかというと、必ずしもそうではなく、ただ期を逸したのかなんなのか、妙に売れ残ってしまったが為に在庫整理で安く出回ったのだろうと思われる、ある意味不遇な商品が、30円なので買ってみたら意外といけるという、嬉しい驚きをたった30円で買える事もしばしばなので、

いま、自販機界隈はそれなりにホット(冬だけに)なのであった。

まあそんなことを考えながら自転車こいで帰ってきた、今日の仕事あがりでした。
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