第16話

文字数 682文字

昨日、仕事を休んだ。

(主に)女どもにむかついたからだ。

掃除をしない女、気づきの時間に、なんだか疎外を感じさせてくるおばはん、トイレの床を掃除するモップについて教わりながらも、あいかわらず床掃除をしない老害のじじい。

そんな連中に混じって大阪の最低賃金で働いている自分が、情けなくなった。

掃除をしない女が一昨日掃除しなかったのは、ぼくに対する当てつけだとまで思い悶々とし、今日の精神科の診察でそのことを(自分でも被害妄想っぽいとして)主治医に言ったのだけど、主治医はあっさりと「被害妄想的なところは見られない」と言ったので、今更ながら少し驚いている。

とすればあの女はやはり僕へのあてつけ、挑発として、あえて掃除をさぼったのだろう。

主治医はまたこうも言った。賃金への不満と人間関係のごたごたは周期的に訪れるから、そんなに気にしなくても良い、と。まあ、その言葉で多少救われた感はある。

普段の抗不安薬やADHDの薬に加え、頓服の抗鬱剤も少し多めに出してくれて、次回は二週間後の診察を予約してくれた。

今、深夜二時半。寝なきゃな。

サブカルにどっぷりと浸かって、精神をあまりにも弛緩させていると、女たちは爪をむき出して襲い掛かってくる。それにぼく自身、サブカル漬け以外のことではめったに頭痛も起きない。

サブカルって何なんだろ。思考や精神の集中とは無縁のようでいて、日々の生活にはそれらのものも必要なのかもしれない。人から一定の敬意を得るには、精神が欠けた状態で社交の場にのこのこ顔を出すべきではないのかもしれない。

そうして立派な引きこもりが出来上がるというわけだ。

では、おやすみ。
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