第54話 オムライス

文字数 1,764文字

「病院でお茶飲んでなかった? そんなに美味しかった?」

楓が自身の口を押さえながら美味しいと言って零していたお茶をタオルで拭いていく。 愛理は病院で飲んでたのは緑茶で、今飲んでたのはジャスミン茶だから、違うのだと思ったんだと思うわと言う。

「うちにはお茶が沢山種類あるからね! エレナにはもっと沢山飲んでこの世界の食事も楽しんでね!」

奏がエレナにジャスミン茶を注いで飲んでと言うと、もっと飲むとエレナは笑顔でコップを受け取っていた。

「お茶だけじゃなくて、食事も食べてね!」

楓が食事を作るから待っててとエレナに言うと、待ってると言ってソファーに愛理と共に座ってテレビを見始めた。テレビをつけると、そこではバラエティー番組がやっており、そこでは芸人の人たちがお笑いバトルをしていた。エレナはこの人たちは何をやっているのとエレナが聞くと、愛理はこの人たちはお笑いといって人を笑わせることを仕事としているの言う。エレナは面白い仕事だねと言っていると、ある芸人がしていた芸を見て、エレナは爆笑をし始めた。

「エレナも私と同じところで笑ってる! この芸人さん面白いよね!」

愛理のその言葉にエレナがだよねと返すと、この芸人さんも面白いんだよと愛理がさらに言う。

「この芸人さんも面白い! そこで変顔するなんて卑怯だよぉ!」

エレナがテレビ画面を指さして笑っていると、楓が晩御飯が出来たわよと愛理とエレナの二人に話しかける。エレナはもっとこのテレビ見てると返事をすると、愛理が見ながら食べれるから行こうとエレナの手を引いてソファーから離れた。

「さ、ここに座って! ここが今日から食べる席よ」

愛理は自身の左の椅子に座らせると、楓が作ったオムライスが人数分並べられていた。 エレナはこれは何て言うのと愛理に聞くと、これはオムライスっていう料理よと説明をした。

「ケチャップをこんな風にかけて食べると美味しいのよ!」

愛理が実態に自身のオムライスに向けてかけると、ケチャップをおもいっきりかけてしまった。愛理はその瞬間絶望に落とされたかのような顔になった。

「わ……私のオムライスが……私のオムライスがあああああああああ!」

愛理のその絶叫を聞いた楓たちは愛理のオムライスを見ると、そこにはオムライスを覆うようにケチャップがかかっていた。

「お姉ちゃんまたケチャップぶちまけちゃったの!? もう……何回目!?」

奏が愛理のオムライスを見て、スプーンでオムライスの上にぶちまけたケチャップを取っていく。 オムライスが埋まるほどにかけてしまったので、奏は自身でかけることなく、取ったケチャップだけで自身のオムライスにかける分が確保できた。エレナはそんな一幕を見て、面白いと何度も笑っていた。 エレナは見て感じる全てのことが初めてなので、愛理と奏がする全てのことが面白いと感じていた。

「私も愛理のケチャップ取るぅ!」

エレナがそう言ってスプーンを使うと、愛理のオムライスごとケチャップを取ってしまった。

「あ! 私のオムライスぅ!」

エレナの手を掴んで言うと、おまけが取れたよと笑顔で言っていた。

「私のオムライスのカケラ返してぇ!」

愛理がエレナに返してと言っていると、楓がお行儀が悪いわよと二人の掌を叩いた。 エレナはごめんなさいと言って落ち込んでしまう。

「そこまで落ち込まなくても……あぁ! もうそのカケラ食べて良いわよ!」

愛理のその言葉を聞いたエレナな、ありがとうと笑顔で愛理のオムライスのカケラを食べた。

「美味しい! 食べ物は最高に美味しい!」

エレナな笑顔で美味しい美味しいと何度も言いながら食べ続けていた 時にはケチャップだけを食べ、時にはケチャップを取ってオムライスだけを食べていた 時折咽せてしまっていたので、愛理はジャスミン茶をコップに注いで飲ませていた。

「奏以上に手がかかるわね。 妹がもう一人できた感じ」

愛理のその言葉を聞いた奏は、お姉ちゃんの方が私にとっては妹みたいだよと、小悪魔のような表情をして言う。

「高校の合格通知書の時とか特にね!」

奏はあの時の愛理の表情や行動を、声高々に言おうとして奏が口を開いた瞬間、愛理が両手で奏の口を塞いだ。
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