第26話 恐怖の到来

文字数 1,539文字

愛理は何もできない私は、守られるしかないのかと苦悩しながら考えていた。 顔を曇らせて考えていると、スマートフォンにメールが届いたようで、そのメールは葵からであった。

葵からのメールは、怪人が出たことが不安なことや、身近で現れたらどうしようといった内容であった。 愛理はそのメールに、星空校長や他の教師たちが守ってくれるし、もし町に出現しても警察や特殊魔法部隊が助けてくれるよと変身をした。

すると葵からすぐに返信が届いて、そうだよねと書いてあった。 また、その下にはもし学園に出現したら、二人で守り合おうねとも書いてあった。

「葵は初めて学園で出来た友達だし、一緒に守り合って戦うのは当然!」

愛理は笑顔になりながら、葵に一緒に守りながら戦おうねと返信した。 それから数回メールのやり取りをした後に、愛理はお休みと葵に返信を送って寝ることにした。

翌日学校に向かうと、ホームルームの後に全校集会が開かれることになった。 愛理と葵は、この全校集会で何が話されるのか気になりつつも、怪人が出現しないか不安であった。

その不安は愛理たち以外も感じているようで、同級生や上級生たちも不安な面持ちであるようである。 入学式をした場所に全生徒が集まって席に座ったことを確認すると、星空校長を含めた全教師や学校関係者が入ってきていた。

教師たちが集まると、全校集会が始まった。 初めに星空校長が怪人が出現したことや、それに伴って休校にした理由を生徒たちに話し始める。

「数百年ぶりに怪人が出現したことによって、これから怪人が頻繁に出現する恐れもあったために、昨日は休校とさせてもらいました。 そして、本日登校してもらったのは、怪人が出現したことによって学校側の対応をお伝えしようと決めたからです」

星空校長が、マイクを右手に話し始めようとした瞬間、愛理たちがいるこの会場の入り口が吹き飛んだ。 その吹き飛んだ入り口の扉は、近くに座っていた生徒に衝突してしまう。

「痛い! 腕が……変な方向に……曲がってる!?」

入り口の扉が衝突した男子生徒の右腕が、本来曲がる方向とは別の角度で曲がっており、その男子生徒は苦悶の表情で絶叫していた。

「な、何だ突然、何が起きた!?」

星空校長を含めた教師たちは入り口の方を見る。 するとそこには、赤黒い肌をした三本角を生やしているトナカイのような怪物や、白い肌をしてしいる両腕が赤い刀の目だけが開き、鼻や口がない奇妙な人型の怪物が佇んでいた。

入り口付近にいる怪物二体を目視した星空校長は、すぐさまトナカイの怪物に近づいて外に吹き飛ばした。 続いて人型の怪物を蹴り飛ばそうとした時、人型の怪物が右腕にある刀で切りかかってきたので、星空校長はすぐに後ろに下がった。

「私の速度に合わせてくるとは……この怪物強い!?」

星空校長は後ろに下がって自身の服を見ると、左斜めに服が切り裂かれていた。 星空校長は、人型の怪物は強すぎると生唾を飲んでいた。

「教師たちはすぐに生徒たちを避難させるんだ! この怪物は私が食い止める!」

その言葉と共に、星空校長は光属性の攻撃魔法を発動させて人型の怪物に光線と思わしき攻撃を当てた。 すると、人型の怪物は壁を壊して外に吹き飛んだ。 しかし、人型の怪物はすぐに星空校長に向かって走り、両腕の刀で切りかかろうととしている。

星空校長は、どこかからか取り出した短剣によってその刀の攻撃を防いでいた。 その様子を見ていた愛理と葵は、避難しろとの教師を振り払って、星空校長を支援しないとと思っていた。 星空校長と戦っている人型の怪物の他にいたもう一体のトナカイの怪物は、外にて教師たちと戦っていた。
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