第21話 ふわふわ玉子とんこつラーメン
文字数 1,855文字
どうやら今週はラーメンウィークになりそうだ。月曜日、ぶたづくしのラーメンを食べ、火曜日もサシ飲みの〆で鶏塩ラーメンを食べた。この勢いで今日と明日もラーメンランチといこうじゃないか。
仕事がある日の朝は、ほとんど食べない。食べるとしてもチョコひと欠片とか、せんべい1枚くらいだ。それで濃ゆいコーヒーを飲むだけ。で、歯を磨いて髪をとかして着替えをしたら出発の時間になってしまう。
駅を降りたあと遠回りして1時間ほど歩き出社すれば、まぁそりゃ腹も減るでしょってなもんで。昼前にはもう腹の虫が盛大に鳴いているわけです。
ということで、今日のランチは前から行きたいと思っていたラーメン屋にて。しかし例によって、時間との勝負になることは必至だ。天気が良いくせにめっちゃ寒い街中を早足、いやほとんど駆け足に近い速さで歩き、目的地へと辿り着いた。
……店外まで列が溢れている、だとぉ?
あと45分。10分で座り、5分でラーメンが提供されれば、10分で食べて戻れる。それより5分遅れると会社まで走ることになるし、10分遅れたら全速力でも休憩時間の終わりまでに帰ることはできないだろう。
カウンターに6人、テーブル席に10人程度。カウンターでは3人がラーメンを待っている様子で、テーブル客は全員ラーメンを啜っている。待ち客は4人。5〜10分待てば席に着けそうだ。……待つか。
じっと席に案内されるのを待ち、およそ7分で二人掛けの席へ通された。気が急いてしまい申し訳ないなと思いつつも、着座する前にさっさと注文してしまう。
「焼き豚ご飯と、ふわふわ玉子とんこつラーメン、匠味で」
店員さんは厨房にひとり、ホールにひとりのみ。しかしどちらも凄まじい速さで動いていて、これなら提供にはそれほど時間がかからないであろう。お願いしますお願いします……。
と、焦っていても仕方ないのでメニューを眺めて待つ。秘伝のタレでチャーシューを作っているとか、麺を作る際の水はアルカリ軟水に竹炭をいれて1日寝かせたものを使っているとか。なるほど、これは味に期待ができそうだ。時間ないけど味わって食べられるかなぁ。
さっきチラッと見た厨房では美味しそうな餃子を焼いていた。今日は注文しなかったけど、いつか夜に訪れたらハイボールと餃子を試してみよう。
まぜそばもあるのか。「ビールもよく合います」と書かれている。ふむ。
およそ5分経過後、ラーメンとご飯がテーブルの上に置かれた。
はい、美味い。絶対うまいに決まってる。少しにんにくが入ってる? 少しならいいか。
時計を見る。あと30分を切ってる。さあ食べようぞ。
まずふわふわ玉子とやらを掬ってラーメンスープと一緒にいただく。熱いけどやっぱりホラ美味美味。とろっとした濃いスープに玉子の甘さが絡んで、一段階上のレベルまで上がっちまった。なんのレベルかは知らないけどとにかくアガる。まだ色んな味が待っているぞ。時間は無いけど。
のりがいるべき場所はスープの中ではないかな? そう思い、箸でご飯から取り上げてラーメンの方に押し付けた。麺をのりで包んで、パクリ。
う〜んウマイ! こだわりの麺にとんこつとのりの風味がプラスされて最高。そこにご飯を……秘伝の濃いタレが甘じょっぱくて良き。
ご飯の上の焼き豚、いってみよう。あー、しっかり味がついてて……ご飯がススムススムと一気にかきこむ。休む暇もなく箸を持つ左手と顎を動かし続ける。そろそろラーメンは冷めてきたかな。いや、熱い。困ったぞ。
そんな時は水の出番だ。ラーメンを啜り、ちょっと水を口に含む。これでドンドンいける。たんまり冷水の入ったピッチャーがテーブル上にあるから、水の量は無限と言って良い。あと5分で食べ終えなければ全力ダッシュ確定だ。
麺にふわふわ玉子を絡めたり、焼き豚をご飯と一緒に口へ放り込んだり、レンゲでスープを掬ってズズッとしたり、チャーシューを含み、麺を含み、ご飯を含んで。これって何だっけ、口中調味? 口内丼? 三角食べ? ……まぁいいや。とにかくドンドン混ぜて食べる。食べて、食べて、食べる。量、思ったより多いな……。
それでもスープまで飲み干してご飯の丼も一粒残らず食べ切って完食ですごちそうさまでしたッ!! めっちゃ美味かったッス!
そそくさと支払いを終えて店を出た。
あと15分、これなら何とかなる。
僕は小走りで歩道を行くのであった。
……腹きっつ。
【本日の出費】
ふわふわ玉子とんこつラーメン匠味+焼き豚ご飯セット
1,210円
仕事がある日の朝は、ほとんど食べない。食べるとしてもチョコひと欠片とか、せんべい1枚くらいだ。それで濃ゆいコーヒーを飲むだけ。で、歯を磨いて髪をとかして着替えをしたら出発の時間になってしまう。
駅を降りたあと遠回りして1時間ほど歩き出社すれば、まぁそりゃ腹も減るでしょってなもんで。昼前にはもう腹の虫が盛大に鳴いているわけです。
ということで、今日のランチは前から行きたいと思っていたラーメン屋にて。しかし例によって、時間との勝負になることは必至だ。天気が良いくせにめっちゃ寒い街中を早足、いやほとんど駆け足に近い速さで歩き、目的地へと辿り着いた。
……店外まで列が溢れている、だとぉ?
あと45分。10分で座り、5分でラーメンが提供されれば、10分で食べて戻れる。それより5分遅れると会社まで走ることになるし、10分遅れたら全速力でも休憩時間の終わりまでに帰ることはできないだろう。
カウンターに6人、テーブル席に10人程度。カウンターでは3人がラーメンを待っている様子で、テーブル客は全員ラーメンを啜っている。待ち客は4人。5〜10分待てば席に着けそうだ。……待つか。
じっと席に案内されるのを待ち、およそ7分で二人掛けの席へ通された。気が急いてしまい申し訳ないなと思いつつも、着座する前にさっさと注文してしまう。
「焼き豚ご飯と、ふわふわ玉子とんこつラーメン、匠味で」
店員さんは厨房にひとり、ホールにひとりのみ。しかしどちらも凄まじい速さで動いていて、これなら提供にはそれほど時間がかからないであろう。お願いしますお願いします……。
と、焦っていても仕方ないのでメニューを眺めて待つ。秘伝のタレでチャーシューを作っているとか、麺を作る際の水はアルカリ軟水に竹炭をいれて1日寝かせたものを使っているとか。なるほど、これは味に期待ができそうだ。時間ないけど味わって食べられるかなぁ。
さっきチラッと見た厨房では美味しそうな餃子を焼いていた。今日は注文しなかったけど、いつか夜に訪れたらハイボールと餃子を試してみよう。
まぜそばもあるのか。「ビールもよく合います」と書かれている。ふむ。
およそ5分経過後、ラーメンとご飯がテーブルの上に置かれた。
はい、美味い。絶対うまいに決まってる。少しにんにくが入ってる? 少しならいいか。
時計を見る。あと30分を切ってる。さあ食べようぞ。
まずふわふわ玉子とやらを掬ってラーメンスープと一緒にいただく。熱いけどやっぱりホラ美味美味。とろっとした濃いスープに玉子の甘さが絡んで、一段階上のレベルまで上がっちまった。なんのレベルかは知らないけどとにかくアガる。まだ色んな味が待っているぞ。時間は無いけど。
のりがいるべき場所はスープの中ではないかな? そう思い、箸でご飯から取り上げてラーメンの方に押し付けた。麺をのりで包んで、パクリ。
う〜んウマイ! こだわりの麺にとんこつとのりの風味がプラスされて最高。そこにご飯を……秘伝の濃いタレが甘じょっぱくて良き。
ご飯の上の焼き豚、いってみよう。あー、しっかり味がついてて……ご飯がススムススムと一気にかきこむ。休む暇もなく箸を持つ左手と顎を動かし続ける。そろそろラーメンは冷めてきたかな。いや、熱い。困ったぞ。
そんな時は水の出番だ。ラーメンを啜り、ちょっと水を口に含む。これでドンドンいける。たんまり冷水の入ったピッチャーがテーブル上にあるから、水の量は無限と言って良い。あと5分で食べ終えなければ全力ダッシュ確定だ。
麺にふわふわ玉子を絡めたり、焼き豚をご飯と一緒に口へ放り込んだり、レンゲでスープを掬ってズズッとしたり、チャーシューを含み、麺を含み、ご飯を含んで。これって何だっけ、口中調味? 口内丼? 三角食べ? ……まぁいいや。とにかくドンドン混ぜて食べる。食べて、食べて、食べる。量、思ったより多いな……。
それでもスープまで飲み干してご飯の丼も一粒残らず食べ切って完食ですごちそうさまでしたッ!! めっちゃ美味かったッス!
そそくさと支払いを終えて店を出た。
あと15分、これなら何とかなる。
僕は小走りで歩道を行くのであった。
……腹きっつ。
【本日の出費】
ふわふわ玉子とんこつラーメン匠味+焼き豚ご飯セット
1,210円