第20話 鼓 動
文字数 502文字
～翌日、バイトに向かう途中、午前10時10分～
≪☎：あ、クノ？今日バイト休むんで伝えといて。≫
(あのとき一瞬、心臓が止まった。)
(今もまともに動いているのか、自信がない。)
～フジイのアパート付近の河原、午前11時～
(ずっと1人だった。)
アイバは「鼓動」が撮影された河原に1人立っていた。
(またこぼれていくのか？)
(この手は何も
(じゃあ、何のためにある？)
(！！)
《LINE:今、家にいる？》
・・・
(！！)
(既読・・・)《LINE:外出中？》
・・・
(また、既読スルー？)
(！！)
アイバがフジイからの着信に気づく。
・・・
しばらくして着信音が鳴り止む。
～フジイの大学、午前11時15分～
(出ない・・・)
(今のオレにできること・・・)
～フジイのアパート付近の河原、午前11時15分～
(サヤちゃんのために・・・できること・・・)
再度フジイから着信があるが、しばらくして鳴り止む。
(ずっと1人だったんだ。)
(大したことない。)
・・・
(キタジにお願いしてハセガワさんに連絡とってもらう？)
(コジマさん経由でミヤシタくん？)
(元に戻るだけ・・・少し前に・・・)
(どうする？)
(・・・1人なんだ。)
