第19話 歩 幅
文字数 531文字
～同日、帰宅途中～
(唇の古傷が疼 いた。)
(
(撮影に専念？)
(距離を置いた？)
(ずっと好きでいてくれる、そう思ってたのか、オレ・・・)
(そんな大それたこと・・・)
(そんな何の保障もないこと・・・)
(あのとき、たまたまオレたちの歩幅が合っただけかもしれないのに・・・)
(今はムリに合わせてくれてるとしても不思議じゃないのに・・・)
(縛ってきた？奪ってきた？)
(雨に濡れるなら、傘くらい持ってあげられる。)
(オレにできなかったこと？)
(サヤちゃんが頑張るための原動力・・・)
(輝くための・・・)
～同日の夜-アイバのアパート～
(！！)
≪☎：今日、写真展行ったんだって？
ミヤシタくんに聞いた。≫
≪☎：あ、うん・・・≫
≪☎：私、会場にいたんだよ。≫
≪☎：そうなんだ。≫
≪☎：久しぶりにご飯行こっか？≫
(！！)
≪☎：う～ん・・・あ、でもいいや。≫
≪☎：話したいこともあるし・・・≫
≪☎：あァ～、ごめん、
ちょっと・・・時間・・・とれそうにない・・・かな。≫
(今のオレは上手く話せているんだろうか？)
≪☎：じゃあ、来週でも・・・≫
≪☎：悪りィ、撮影頑張って、それじゃ。≫
≪☎：あ、≫
・・・
(また、雨の日に思いを馳 せるんだろうか？)
