第16話 蛍石のお礼をもらった件

文字数 972文字

 今日も読みに来てくれたね。
 ありがとう。
 前回の続きを話すよ。

 それからしばらく、エリシャとお話して色々なことを聞いたの。
 まずは魔素を浄化する方法について聞いたわ。

 エリシャによると、私たちが魔法を使うと体内に魔素が発生して細胞の性質を変化させてしまうみたいで、これが体内にたくさん蓄積すると魔物化のリスクが高まってしまうみたいなの。

 この魔素を無害な物質へと変化させる物質があって、エリシャはそれを触媒と呼んでいるの。
 触媒自身は、魔素を無害化しても性質が変化しないでそのままだから、半永久的に作用するみたいね。
 で、無害化された魔素は生体エネルギーといって、人間の生命力の源となるエネルギーに変換されるんだって。

 ここまでは、以前にも書いたことがあるから知ってるわよね?

 まさか、忘れたの?
 まあ、いいわ。

 それで、エリシャはかつてローゼンブルクにいた時にこの触媒を発見して、魔素を無害化する魔道具を作ったみたいなの。
 この触媒となる物質はローゼンブルクでしか産出しないみたい。

 もう一つ、エリシャから興味深い話を聞いたの。
 あのドロシーって子は以前、自分は女神に会っていて、彼女から与えられた特別なミッションをこなしているとエルフさんに話していたらしいの。

 さりげなくとんでもない発言が出てきたわ。
 これはもう、ドロシーって子に会いに行くしかないわね。
 でも、ドロシーは神出鬼没だから、エリシャでもどこにいるのかわからないみたい。

 最後に、エリシャから蛍石のお礼に試作品の魔道具をもらったの。
 黒猫の耳みたいな魔道具で、頭から脳に直接魔力を送ることで、装着者の能力を限界まで引き出してくれるの。
 装着すると猫耳みたいで恥ずかしいから、ドロシーからはいらないって言われたみたいね。

 ローゼンブルクでは例の発電所のような施設のおかげで魔力は無限に使えるから、これをつけていれば私は常に強化系の魔法で強化されているような状態になるの。
 
 さらに、この魔道具は私の集中力を極限まで高めてくれて、ゾーンと呼ばれる状態になれるの。
 このゾーン状態では、人の限界を超えた速度で反応することができるようになるみたいなの。

 これで少しでも日太刀王に対抗できるといいんだけれど。

 今日もここまで読んでくれてありがとう。
 また明日読みに来てね。
 絶対だよ。
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