第9話 英雄王が欲した力の代償

文字数 944文字

 わあ、また読みに来てくれたんだ。

 うれしいよ。

 いつもありがとうね。

 私が宮古様を救う決意をしたのは、宮古様が父親の日太刀王のせいで心を失ってしまったからなの。

 宮古様は、日太刀王が力を得るための犠牲になってしまったの。

 日太刀王が宮古様にした行為は許されるものではないわ。

 彼は、ある特別な魔道獣を宮古様の子宮に寄生させたの。

 そして、宮古様は……ううぅっ。

 ごめんなさい、話すが辛いけど、がんばって話すわね。

 この魔道獣は、宮古様の生体エネルギーを吸収して力に変えていたの。

 生体エネルギーはチャクラとかオーラとも呼ばれているわ。

 日太刀王は宮古様の子宮に魔道獣を寄生させて、この魔道獣を成長させていたの。

 魔道獣を自分の身体に馴染ませるために、実の娘である宮古様を利用していたのね。

 日太刀王は魔道獣を実の娘である宮古様の体内で成長させることによって、自分の身体と魔道獣とのシンクロ率をあげて、魔道獣の力を100%引き出すことを狙っていたの。

 宮古様の子宮に魔物を寄生させてから、日太刀王は実の娘の宮古様にここではとても言えないような酷いことをしたのよ。

 そして、国中の兵士にも宮古様に自分と同じことをするように命じたの。

 こうして、宮古様の心は壊れてしまったの。

 なんでそんなことをしたのかというと、宮古様が恐怖や快感を感じる時に、より多くの生体エネルギーが生成されて、魔道獣が効率良く力を得ることができるからよ。

 とにかく、その時から宮古様は心が壊れて言葉を話せなくなってしまったの。

 そして、日太刀王は宮古様に、子宮の中で成熟した魔道獣を産み落とさせたの。

 その魔道獣を取り上げた日太刀王は、今度は自分の身体にこの魔道獣を寄生させたの。

 こうして、日太刀王は宮古様を魔道獣を覚醒させるための道具に使ったの。

 私、彼が本当に許せないの。

 だから以前は日太刀王様って呼んでたんだけど、宮古様が壊れてしまった真相を知ってからは、様をつけて呼ぶことは止めたの。

 本当に許せないから、いつか私が日太刀王を懲らしめて、宮古様に謝罪させようと思っているのよ。

 今回はちょっとツラいお話になってしまったわね。

 でも、最後まで読んでくれてありがとう。

 私、そんなあなたが大好きよ。

また来てね。
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