第24話 無双する女神様

文字数 1,317文字

「強いエネルギーを感じたから来てみたら、偽物の女神様がいたのね。ふふ、私の偽物は困るわね。どうしようかしらシンシア?」

「偽物なんて私たちの世界にはいらないわ。ドロシー、彼女を消して」

 あなたたちは誰?

「あら、もう一人の子は懐かしいものを身につけているわね。先生の知り合いかしら?」

 偽物という言葉に反応した偽女神は、みるみる表情がこわばっていった。

「私が偽物ですって? 面白い冗談ね。私は本物だ。お前たちが消えろぉぉ!!!」

 そういって、偽女神は自分の周囲に無数の光の球を作り出すと、女神様たちに向けて一斉に飛ばして攻撃したの。

 数え切れないほどの光球が女神様たちを取り囲むと、偽女神は全ての方向から攻撃を仕掛けた。
 でも、本物の女神様は光のバリアを周囲に展開すると、それで全ての光球を受け止めてしまった。

「もう少し強いのかと思ったけど、この程度なの? 残念ね」

 今度は女神様が偽女神の頭上に超巨大な隕石を創り出して落下させた。

「隕石だと!! こんなもの、見かけ倒しだろうが!!!」

 偽女神は隕石を全身で受け止めたけど、こらえきれずに吹き飛ばされてしまった。

「かはっ、はぁっはぁ。今のは痛かった!! 痛かったぞおおおおお!!!」

 偽女神はかなりのダメージを受けたのか女神への擬態が解けかけて、ところどころ元の魔道獣の姿が混じっている状態になっていた。

「もう許さないわあんた。この国ごと、破壊してやる!!!」

 魔道獣は女神の姿へ擬態し直すと、一気に魔力を解放させて、身体を巨大化させた。
 巨大化した偽女神は前の世界の高層ビルと同じぐらいの大きさになっていたわ。

「うふふ、この大きさならお前でも勝てないだろう?すぐに潰してやるわ!!!」

 そのまま、偽女神は乱暴に女神様を手で掴むと、両手で彼女の身体を締め付けた。
 でも、女神様は余裕だったわ。

「がっかりね。大きくなれば強いって? とんでもない誤解だわ。本物の女神の方が強いに決まってるじゃない」

 締め付けられたまま、女神様は、偽女神の生体エネルギーをどんどん奪っていった。

「え、なんだ? 力がどんどん抜けていく??? ま、まさか、エネルギーを吸われてるのか!? ま、待てよ!!! 私のエネルギーを吸うなんて反則だろ!!! こんな勢いで吸われたら私、壊れちゃうだろ!! やめろ!! やめろぉっ!!! いやあああああ!!! やめてえぇぇ!!! もう女神なんてやめますぅっ!!! 何でもしますからぁ!!! ああ、もうダメぇ、身体が保てなくなるぅぅっ!!! いやああああああ!!!!!」

 偽物の女神は醜い魔道獣の姿に戻って、どんどん身体が縮んでいった。

「生体エネルギーが無ければ何もできないのね。まあ、単体ではそれが限界よね」

 生体エネルギーを吸い尽くされだ魔道獣は苦しそうに悶えていたわ。

「ぐぅっ、ぐぅっ、ちくしょう、もっとエネルギー、エネルギーさえあれば・・・」

「見苦しいわよ。私、そういう子は嫌いなの」

 そういうと、女神様は炎の魔法で、魔道獣の身体を焼き尽くしてしまった。

 そして、女神様は私の方へ振り返ると微笑んで話しかけてきた。

「紹介が遅れたわね。私はドロシー。この世界の新しい女神よ」
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