第13話(7月7日)
文字数 494文字
7月7日。七夕の日。マスコミの前で舟木さんの記者会見が行われた。
新聞記事。
「歌手の舟木一夫さん(28)は7月7日東京・ホテルオークラで記者会見し、宮城県仙台市在住の会社員次女、松沢紀子(21)さん=宮城学院大学4年=との婚約を発表した。二人はすでに3月に婚約。4月に結納を交わし、結婚式は翌年昭和49年1月17日に東京永田町の日枝神社でとり行うという」
紀子は何度もその新聞記事を読み返した。
ふつふつと湧き上がってくる喜び、幸福感。
それと裏腹に重い責任のようなものも紀子はひしひしと感じていた。
芸能人としての舟木さん、誰もが知っている舟木さん、一般人とは違って想像もできないほどの芸能界のしがらみや競争、周囲への気配りや浮き沈みのリスク、どこにいても何をやっても公衆の注目を浴びる立場、壮絶なストレス。そんな中で挫折感から何とか立ち直り今舟木さんは新たな出発をしようとしている。
私は舟木さんを命がけで支えよう。それが妻となる私の役割なんだ。
身の引き締まるような思いが背中を突き抜ける。
どんな事があろうと妻としてとことん舟木さんを支えていくのだ。
紀子は固く自分に誓った。
新聞記事。
「歌手の舟木一夫さん(28)は7月7日東京・ホテルオークラで記者会見し、宮城県仙台市在住の会社員次女、松沢紀子(21)さん=宮城学院大学4年=との婚約を発表した。二人はすでに3月に婚約。4月に結納を交わし、結婚式は翌年昭和49年1月17日に東京永田町の日枝神社でとり行うという」
紀子は何度もその新聞記事を読み返した。
ふつふつと湧き上がってくる喜び、幸福感。
それと裏腹に重い責任のようなものも紀子はひしひしと感じていた。
芸能人としての舟木さん、誰もが知っている舟木さん、一般人とは違って想像もできないほどの芸能界のしがらみや競争、周囲への気配りや浮き沈みのリスク、どこにいても何をやっても公衆の注目を浴びる立場、壮絶なストレス。そんな中で挫折感から何とか立ち直り今舟木さんは新たな出発をしようとしている。
私は舟木さんを命がけで支えよう。それが妻となる私の役割なんだ。
身の引き締まるような思いが背中を突き抜ける。
どんな事があろうと妻としてとことん舟木さんを支えていくのだ。
紀子は固く自分に誓った。