第９話：サリン、大地震、財テク不正

　６月２７日、長野県松本市の住宅街で住民が有毒ガスによる中毒症状を訴え７人が死亡、５８人が重軽症を負う松本サリン事件が発生。８月３日、東京で３９.１℃と最高気温を更新した。８月４日、静岡県天竜では４０.６℃と全国歴代２位となった。８月５日、神戸市で福徳銀行神戸支店の現金輸送車が２入組に襲われ、５億４１００万円が強奪された。１０月１３日、大江健三郎がノーベル文学賞を受賞した。

　１９９５年が明け、１月１７日、阪神・淡路大震災で阪神地方でマグニチュード７.２の直下型地震が発生し兵庫県を中心に建物の倒壊や火災が相次いだ。さらに交通、通信、電気、水道などのライフラインが寸断された。その結果、死者、行方不明者６４３７人を出した。２月２２日、ロッキード裁判丸紅ルートで最高裁が田中角栄元首相への５億円賄賂の受け渡しを認めた１、２審の有罪判決を維持した。

　最後まで残った元丸紅会長と元秘書官ら２人の上告を棄却し、１６人が起訴された裁判は公判中死亡の５人を除く全員の有罪で決着した。３月２０日、地下鉄日比谷、丸ノ内、千代田各線の電車内に猛毒ガスのサリンがまかれた。そのため、乗客や駅員ら１０人が死亡、５千人以上が重軽症を負う地下鉄サリン事件が起きた。３月２２日、警視庁がオウム真理教関連施設を捜査した。

　その後、教団の幹部を多数逮捕し、５月１６日には松本智津夫「麻原彰晃」代表を殺人容疑で逮捕した。１２月６日、乱脈経営で破たんした東京協和、安全両信用組合の不正融資に絡み、東京地検が山口敏夫元労相を背任容疑で逮捕した。１９９６年が明け、刀根紳一は、２月、埼玉大学経済学部を受験した。その後、３月初旬の合格発表を見に両親と出かけ自分の受験番号を見つけ合格を確認した。

　そして、入学の手続きを必要なものを購入。埼玉大学が不便な場所にあり大学の寮に入ることにした。２月１６日、輸入血液製剤でＨＩＶ「エイズウイルス」に感染した血友病患者に対して菅直人厚相が厚生省を代表して謝罪した。３月２９日、患者と家族が国と製薬会社に損害賠償を求めていた東京ＨＩＶ訴訟が東京地裁で和解が成立した。

　７月４日、ロシア大統領選でエリツィン大統領が大差で再選し、８月９日、大統領に就任した。９月２７日、アフガニスタンの反政府勢力、タリバーンが首都カブールを制圧、ラバニ政権が崩壊した。１１月２１日、大蔵省が多額の債務超過に陥った阪和銀行に業務停止命令した。銀行への業務停止命令は戦後初めてだった。１９９７年が明けると３月６日、野村謹券が総会屋親族企業への利益提供を認めた。

　３月１４日、酒巻英雄社長が辞任し、５月３０日、酒巻前社長を逮捕した。３月２４日、リクルート裁判で受託収賄罪に問われた藤波孝生・元官房長官に東京高裁が１審の無罪を破棄し、懲役３年執行猶予４年、追徴金４２７０万円の判決が下された。４月２５日、大蔵省が日産生命保険に業務停止を命令を下した。生保の経営破たんは初めてであった。

　９月５日、カトリックの修道女でノーベル平和賞受賞者のマザー・テレサが死去、享年８７歳。９月１１日、第２次橋本改造内閣が発足。ロッキード事件で有罪確定の佐藤孝行代議士が総務庁長官で初入閣した。しかし、２２日の世論の批判に佐藤長官が辞任した。１１月１７日、北海道拓殖銀行が営業権を北洋銀行に譲渡すると発表し、都銀初の経営破たんとなった。

　１１月２４日、営業不振に陥った山一證券が自主廃業を決めた。１９９８年が明けると２月１９日、日興證券から不正な利益供与を得たとして国会に逮捕許諾請求された新井将敬自民党代議士が自殺した。４月５日、明石海峡大橋が開通し、本四連絡橋神戸-鳴門ルートの全線開通となった。４月１４日、１９９７年度の企業倒産が１万７４３９件になった。