第10話:不景気、倒産、刀根紳一の就職

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 その負債総額は、前年度を65%上回る15兆1203億円で戦後最悪となった。7月25日、和歌山市内で自治会の夏祭りにカレーライスを食べた小学生や自治会長ら4人が死亡、63人が中毒症状になった。9月2日、死亡者の胃の内容物から猛毒のヒ素を検出した。10月4日知人にヒ素入り牛どんを食べさせ保険会社から入院給付金をだまし取ったとして元保険外交員・林真須美を殺人未遂容疑などで逮捕した。

 さらに夫の林健治も詐欺容疑で逮捕した。9月27日、日本長期信用銀行系のノンバンクの日本リースが負債総額2兆4千億円で最大の企業倒産となった。10月23日、特別公的管理「国有化」された。11月12日、小渕首相とエリツィン・ロシア大統領が会談、13日、北方領土問題解決に向けた国境画定委の設置などを盛り込んだ「モスクワ宣言」に署名した。

 1999年が明けると1月1日、欧州連合「EU」の単一通貨「ユーロ」が誕生した。その後、フランス、ドイツなど11カ国に単一通貨「ユーロ」導入されたが英は導入しなかった。1月29日、商品券「地域振興券」の交付が全国で始まった。2月12日、金融再生委が大手行など15行に総額7兆4500億円規模の公的資金による資本注入を内定した。

 この頃、刀根次男は、立教大学経済学部を受験し合格発表で合格を確認した。その後、刀根次男は、池袋で1Kのマンションを借りた。そこから立教大学へ通くことにした。こうして入学手続きを終え3月下旬、刀根次男は、南越谷の実家を離れた。刀根達男は、4人で住んでいたのが夫婦2人きりになり寂しさを感じた。子供が巣立つと言う事は、こういう事かと実感させられた。

 その後、夫婦で、小旅行に出かけるようになった。5月4日、東邦生命保険が自力再建を断念した。その結果、生保の破たんは日産生命に次いで戦後2件目となった。1999年7月中旬、刀根紳一は、大宮高島屋で就職を前提とした研修アルバイトに応募した、そして7月26日から8月6日までの2週間の研修アルバイトすることになった。

 まず、大宮高島屋で自分の顔を先輩たちに覚えてもらうために行動した。次に埼玉大学出身の先輩からの情報収集をして手帳にメモした。研修では、言葉遣いから始まり丁寧語を自然に話せるための訓練から始まった。その他、自然笑顔の作り方、頭の下げ方などの研修を終え3日目から販売活動を先輩とついて実践した。こうして、あまり考える暇もなく2週間が過ぎた。

 その後、9月8日、大宮高島屋の採用試験の日となり筆記試験と面接試験を受けた。特に面接試験では、自分の積極性をアピールした。その1週間後、内定通知が届きひと安心した。8月20日、第一勧銀、富士銀行、日本興業銀行の3行が2000年秋に持ち株会社を設立、2002年の春をめどに事業統合と発表した。

 9月30日、茨城県東海村の民間ウラン加工施設「JOC東海事業所」で国内初の臨界事故で作業員ら150人が被ばくし、茨城県が半径10キロ以内の約31万人に屋内退避勧告を指示した。12月21日、大内久作業員が死亡し、日本原子力開発史上初の死者となった。10月14日、住友銀行とさくら銀行が2000年4月までに合併と発表し、旧財閥の枠を超えた金融の再編となる予定。

 10月15日「国境なき医師団」にノーベル平和賞が授与された。10月21日、最高裁がリクルート事件で受託収賄罪に問われた藤波孝生・元官房長官の上告を棄却した。 そして、懲役3年・執行猶予4年、追徴金4270万円が確定した。12月20日、マカオがポルトガルから中国に返還された。12月31日、エリツィン・ロシア大統領が辞任した。12月31日、パナマ運河が米国からパナマに返還された。
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