第4話:結婚、NEC-TK80新発売

文字数 1,555文字

 この年、刀根達男は、昔からつき合っている幼なじみで、近くの喫茶店の娘で同じ年の室岡幸子さんとの結婚することを決心し、告白した。彼女に伝えるとOKしてくれ、ご両親にも伝えると承諾してくれた。 そして、1975年6月25日の日曜日、結婚式をあげることにした。6月24日に上野のホテルに入り、夕食後、ビールを飲みながら昔話をなつかしそうに思い出した。

 しばらくして眠りについた。翌朝、6時半に起きて不忍池を散歩して7時過ぎに朝食を食べに行った。9時から幸子さんが着物の着付けに出かけた。10時に刀根達男も和装に着替えるために出かけた。11時から和装の結婚式が始まり型どおり進んだ。参加者は、学生自体の友人が多く和気あいあいの雰囲気で終了した。その後、披露宴会場に場所を移し新郎新婦が参列者のテーブルを回り挨拶して回った。

 披露宴では学生時代の話や流行歌を歌ったりして盛り上がった。そして、両親から挨拶と新郎新婦からの話が終わると披露宴も終了し参列者一人一人にお礼のあいさつをして結婚式が終了した。その日は、上野ビアホールで夕食をとってホテルに帰り、早めに床についた。翌朝、上野から東北線で仙台へ行き青葉城を見学し夜は牛タンを食べた。

 その翌日は、那須へ向かい、那須の牧場を見学して回った。その晩は那須の高原ホテルに宿泊した。翌日、南越谷の新居のアパートに帰った。1976年が明けると1月5日、証券マンから刀根達男に電話が入り積水ハウスの株価が750円と高い言われた。さらに積水ハウス株保有中に6回の株式分割があり5千株が15500株増えた。その結果、税引き後利益が1030万円となった。

 その結果を聞いても、キツネにつままれた様な気がして、にわかに信じられなかった。そのため、4営業日後に証券会社の担当者に電話をしての残金を確認すると間違いないと確認でき驚いた。その後、証券会社の担当者に御礼の電話を入れた。そして、父に借りた50万円を返すと残金が985万円となった。5月4日、熊本地検、水俣病の責任でチッソ元社長・元工場長を起訴した。

 5月22日、ロッキード事件で大久保・丸紅前専務、沢・全日空専務ら5人が初の逮捕者となった。7月8日、若狭・全日空社長が逮捕された。その後、7月13日、桧山・丸紅前会長逮捕も逮捕された。7月27日、田中角栄・前首相が逮捕され、その後、8月13日に起訴された。8月3日、日本電気「NEC」からTK-80というマイコン・システム開発のための「トレーニングキット」が発売された。

 その後8月7日土曜の朝、刀根達男は、秋葉原へ出かけた。そして電気街でTK-80の実物を見ると単に電子基板にICが配置され縦横4列のキーボードが右の下部に配置されていた。そこで、これだけで動くのですかと聞くと右上の左右4つずつ小画面が点灯し映し出されると言われた。試しても良いかと聞くと良いですよと言われた。

 刀根は、組み立てキットだと勝手に思っていたので驚いた。詳しそうな店員に話を聞くと、そうですよねと笑った。彼が語り始めNEC側は、元々、あくまでトレーニングキットのつもりで当キットを構想・設計・発売使用と考えた。つまり、その当時、まだ知る人が、ほとんどおらず、そもそも需要すら無かったマイクロプロセッサというものの需要を掘り起こすために作られた様だ。

さらにマイコンシステムを業務として開発する可能性のある技術部門や企業の技術者などが購入する事を想定した。しかし、実際には公表された仕様を見て基本となる入出力装置を備えているので高価な端末を別途用意せず、このまま本体だけでも使えた。しかも、入出力が最初から一体化された仕様で設計されているので「バラバラのものを組み合わせるのとは違って」確実に動いた。
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