最終話:新型ウイルスとプリゴジンの死

文字数 1,811文字

 2月28日、東京地検特捜部、東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件につき広告会社電通、博報堂、東急エージェンシー、セレスポ、セイムトゥー、番組制作会社フジクリエイティブコーポの6社と各社幹部計7名を独占禁止法違反「不当な取引制限」罪で起訴。起訴に先立ち公正取引委員会は談合の規模を約437億円と認定し検事総長に告発。独占禁止法違反で広告業界が刑事処分を受けるのは初。

 厚生労働省、新型ウイルス感染症の飲み薬について塩野義製薬の「ゾコーバ」とファイザーの「パキロビッドパック」を保険適用を決定。厚生労働大臣の諮問機関・中央社会保険医療協議会が了承。服薬期間は5日間で患者1人当たり薬剤費は、ゾコーバが約5万2千円、パキロビッドパックが約9万9千円となる。政府は、新型の感染症法上の位置づけを五類感染症に移行した後も当分の間患者負担を無料のままとする方針と発表。

 3月17日、国際刑事裁判所がロシアのプーチン大統領らに対してロシアのウクライナ侵攻などの戦争犯罪を理由に逮捕状が出された。3月25日、ロシアのプーチン大統領が、同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備することでベラルーシ側と合意したことを発表。3月28日、参議院本会議で一般会計総額114兆3812億円の令和5年度予算案が与党などの賛成多数で可決、成立。

 当初予算として110兆円を超えるのは、初。これで防衛費は米軍再編経費などを含め6兆8219億円、医療や介護などの社会保障費も36兆8889億円と過去最大。8月23日、ワグネル・グループの創設者のプリゴジンら10人が搭乗していた飛行機が墜落、全員の死亡が確認された。事故機はモスクワを14時55分頃、離陸し、出発地点から百キロ北に15時11分に墜落と見られる。

 乗客乗員10人の遺体は全員回収された。本事故が報じられた直後から、本件は普通の事故ではなくプーチン大統領の命令によりプリゴジンらを狙った暗殺であるとする説が流れた。ワグネル・グループは2か月前にロシア政府に対して一時的に反乱を起こした傭兵集団であったが、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が仲介役となったことで、プリゴジンは逮捕や訴追を受けていなかった。

 一方で、プーチン政権を裏切ったとされる人々の多くが暗殺や襲撃されていることから、7月にアメリカ中央情報局のバーンズ長官が「プリゴジンがプーチンの報復を免れるなら驚きだ」と述べた。このようにプーチン大統領からプリゴジンらに何らかの報復が行われるのではないかという見方が存在していた。バイデン・アメリカ大統領8月23日に事件の概要は不明であるとした。

 しかし、「ロシアで起きる事でプーチン氏が背後にいないことはあまりない」と言い、プーチン大統領の関与を示唆。米国防総省のライダー報道官は8月24日の会見で「殺害された可能性が高い」と述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナの関与について否定する一方で、「誰の関与か、誰もが気づいている」とロシア側の関与を示唆。

 ウクライナ側で戦うロシア義勇軍団は「ロシア政府の上層部の命令で殺害されたことは誰の目にも明らかだ」と言い、「君たちの指揮官を殺害した者に仕えるかウクライナ側につくことで名誉を守り処刑者に復讐するかだ」と迫りウクライナへの寝返りを促した。ロシア側は暗殺を否定。米シンクタンクの戦争研究所は23日、墜落事故についてプーチン大統領がロシア連邦軍司令部に撃墜を命じた可能性が高いとの見解を示した。

 米国防総省のライダー報道官は8月24日の会見で「地対空ミサイルが使われたことを示唆する情報は何もない」として、撃墜説は立証できないとしている。その他にも機内の爆弾による墜落説もある。アメリカの当局者は機内にあった爆弾で破壊された可能性があることが初期の分析で示唆されているとしている。 ロシアのメディア、バザは捜査当局が機内に爆弾が仕掛けられていた可能性について調べているとしている。

 この事件によりロシアのウクライナ侵攻の今後の予想が非常に難しくなった。ロシア内部体制の崩壊とか、戦術核の脅威、ウクライナへの自由主義国家からの武器供与と今まで以上に戦局が混とんとして、どう展開していくか見通しをつけにくくなってしまった。少なくともこれ以上、戦局が拡大せず、収束することを願うばかりである。アーメン!!!「完結」



 
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