第16話:ライブドアとリーマンショック

文字数 1,562文字

 そこで、全株成り行き売り注文を出した。その後、急いで、弟の刀根次男にSBI株の気配値が81500円と高いから売りと指示した。その日の昼休み、刀根兄弟は、証券会社の担当者に電話をするとSBI株、全株売れたと言われた。そして、SBI株保有中に3倍の株式分割を2回行ったので株数が9倍になった。その結果、税引き後利益が1751万円で残金が1752万円と言われ、2人は、驚いた。

 1月16日、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部がライブドアに強制捜査が入った。18日、東京証券取引所にライブドア株の売り注文が殺到し、ライブドア株の売買取引を全面停止した。1月18日、ライブドア事件で東証機能が麻痺し、株式売買が全面停止となった。1月23日、ライブドアの堀江貴文社長ら証券取引法違反で逮捕された。

 6月5日、東京地検特捜部はニッポン放送株の売買をめぐるインサイダー取引容疑で村上ファンド代表・村上世彰容疑者を逮捕した。10月3日、北朝鮮が「核実験を行う」との声明を発表し、9日、実際に北朝鮮が地下核実験を実施した。10月14日、国連安保理が7月の非難決議よりも強い制裁決議を採択した。12月30日、11月5日に死刑判決を受けたフセイン・イラク元大統領の刑が執行された。

 2007年が明けると3月18日、ライブドアの粉飾決算事件で堀江貴文に実刑が判決下された。これには、2人とも大喜びし、父に伝えると、たいしたものだと驚いた。2007年6月、当時の5大投資銀行の一画であったベア・スターンズの傘下のヘッジファンドがサブプライム関連の商品で巨額の損失を出した。

 その後、7月には当時のFRB議長のバーナンキ氏がサブプライムローン問題関連損失が最大1千億米ドルに達する可能性があると言及した。8月には、フランスのパリに本拠地を置く世界規模の金融グループBNPパリバ傘下であったミューチュアル・ファンドが投資家からの解約を凍結すると発表。フランス国内だけでなくヨーロッパ全体、世界のマーケットが一時的にパニックに陥った。

 BNPパリバはヨーロッパでも仏銀行最大手と言われているほど大きくパリバ傘下のファンドの投資家からの解約の凍結は世界中の投資家にダメージを与えた。パリバ傘下のファンドは投資家からお金を集めて様々な投資先に投資することにより運用し資金を大きくした後に投資家たちにリターンするという仕組みだった。また、BNPパリバ傘下のファンドの規模は巨大であった。

 そのファンドが解約の凍結をしたことでファンドに投資していた投資家はもちろん世界中の投資家の注目を集め、金融不安が広がった。9月には英ノーザンロックに緊急融資が行われ、イギリスで140年ぶりの取り付け騒ぎが発生した。この時、専門家でさえ、パリバショックによる市場の混乱を傍観するしかなく、次に何が起こるのかはっきりしない状況だった。

 一旦、鎮静化したが2008年3月の米大手証券のベアー・スターンズが経営危機に陥る事でさらに市場は二次的なショックに見舞われた。これが2008年9月のリーマンショックを引き起こす引き金になった。また、リーマン・ブラザーズは世界中に顧客を持つ大手投資銀行でしたので投資家や金融機関が大打撃を受けた。その規模はアメリカ史上最大の負債総額は約6130億ドル「約64兆円)と言われた。

 リーマンについては最初バンクオブアメリカが買収できないか交渉が行われていた。しかし、9月12日の夜、この交渉は決裂し、バンクオブアメリカはメリルリンチを買収することになった。そこで、リーマンの最大の株主でありリーマンが破綻すると最大の損失を蒙るバークレイズグループに買収話が持ち込まれた。バークレイズ側も最大株主であるという地位からこのようになることを予期していた。
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