第13話 宝石の歌

文字数 1,076文字

家の戸口に花束がかけられているのを見つけるマルグリート。
花束だわ……!
(花束を手に取り)

これはシーベルのね。間違いないわ。

可哀想な男の子

あ~、可哀想なシーベル君。

何かあんまり相手にされてないみたいだよ

カンペキ、恋愛対象外だな
マルグリートは続いて宝石箱の存在に気づきます。
私は何を見ているのかしら?
どこからこんな立派な箱が?

恐ろしくて触れないわ。……ここに鍵があるみたいね!

もしこれを開けたら! ……手が震える。なぜかしら?

開けるだけなら、何も悪くない。そうよね?

花束を取り落とし、はやる気持ちで箱を開けるマルグリート。
あ~……やっぱり。

こうなると思った

悪魔の誘惑が勝ってしまったね
まばゆい宝石に、息を呑むマルグリート。
おお神様! 宝石じゃないの!

これは夢かしら? こんなもの、見たことがない……

マルグリートは箱を椅子の上に置き、その前にひざまずきます。


オーケストラの音が速く大きくなり、彼女の興奮ぶりを描写します。

ちょっとだけやってみようかしら。

一瞬だけでも、このイヤリングを飾ってみるの

おあつらえ向きに、小箱の奥にはちょうど鏡があるではありませんか!
どうしてお洒落せずにいられるというの!
ここから有名な「宝石の歌」です。

宝石がきらめく歌詞の内容そのままに、まばゆいようなソプラノのコロラトゥーラで歌われます。

ああ 私が微笑んでいるのが見えるわ

鏡の中の私、何てきれいなのかしら!

それはあなたなの、マルグリート?

答えてちょうだい、答えて、すぐに!

違う、違うわ、それはあなたじゃない

違う、違うわ、それはあなたの顔じゃない


誰もが敬礼する王女さまよ!

目眩を覚えるほどの興奮の中、マルグリートはうっとりと続けます。
ああ、あの方がここにいらっしゃったら!

あの方が私をご覧になったら!

私を貴婦人のように美しいと思ってくださるでしょう

ブレスレットやネックレスも身に着け、マルグリートは全身着飾ってしまいます。

煌びやかさいっぱいの曲をお楽しみください。

「宝石の歌」についてもさまざまな動画がありますが、ここはオリジナルの雰囲気に近いと思われるものを上げておきます。

ミレッラ・フレーニさん(シーズン1でもたびたび引用させて頂きました)、1975年の公演です。

きらめきを示すトライアングルの音も絶妙!

悪魔の誘惑だか何だか知らないけど、宝石を見てテンション上がっちゃうその気持ちはわかる~
オレも大好きな刺身を食う時はテンション上がる
ここは幸せいっぱいのマルグリートの姿だね
だけどこの喜びのために、マルグリートはあまりにも高い代償を払うことになるんだ……。

ここは一つの教訓かもね

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色