第17話 地獄に堕ちる愛

文字数 795文字

第12場
せっかく立ち去ろうとしたファウストの前に、立ちふさがるメフィスト。
頭がおかしくなったんですかい!
お前、聞いていたのか⁉
幸いなことにね。

博士、あんたは子供か?

学校に送り返されたいのか?

放っておいてくれ!
メフィストはニヤリと笑い、ファウストをなだめにかかります。
まあ、親愛なるご主人様。

とにかくお聞きください、あの娘が星に語ることを。

じっとして……あの娘が窓を開けます……!

第13場
マルグリートが2階の窓を開け、黙ってもたれかかります。

うっとりとした表情のマルグリート。

あの方は私を愛している……私の心は思い乱れる……

鳥が歌ってる 風がささやいてる

自然のすべてが、声を揃えて私に語るの

彼はお前を愛している!

ああ、生きることは何て素敵なの!
喜びと愛なのかしら

ポプラの葉を震わせているのは

明日……

ああ、早く戻ってきて、私の最愛の人よ!

さあ!

マルグリートが両手を広げると、矢も盾もたまらずファウストは階段を駆け上がります。
マルグリート!
もう離れられないとばかりに抱き合う二人。

ここで上がるマルグリートの悲鳴は、喜びなのか、苦しみなのか……

ハッハッハ……(高笑い)
満足気に笑いながら立ち去るメフィスト。
深夜にまで洗濯物が干しっぱなし。

共働き家庭か?

この日はファウストに口説かれまくったので、取り込む時間がなかったのでしょう(笑)。

マルグリートの勤勉さを表すため、このシーンでは洗濯物がズラリ並んだ舞台になっていることも多いよ

しかし、やっと二人がくっついたね

これで第3幕が終わりだよ

恋人たちの甘い雰囲気がたまらないね。胸がキュンとしちゃったよ
まだ悲劇っていう感じはしないな
うん。それがね……

幸せの絶頂は短いんだ。


次の第4幕は、何とここから1年後の話。すっかり悲しい話になってるよ

でもマルグリートがどんな風に悪と戦っていくのか、そこが新たな見どころとなっていきます。

というわけで、次回もお楽しみに~

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