第20話 兵士たちのコーラス

文字数 859文字

第4場
舞台は変わって、街の大通り。

マルグリートの家と、反対側に教会が見えます。


と、ここに大勢の人が近づいてくる気配。

お、笛と太鼓の音が聞こえてきたぞ?
だんだん大きくなってくる~!
そう、軍靴の音と、勇ましいマーチです!!

戦争が終わって、兵士たちが帰ってきたんだね。

勝利を収め、祖国に凱旋してきた彼らの歌をお聴きください

武器をしまおう

われらの故郷に、やっと戻ってきたのだ!

お袋は涙に暮れてるが

お袋も恋人も、もうオレたちを待たなくていいのさ!

勇ましく行進する兵士たちのコーラス。こちらの動画は歌手の皆さんが松明を手に、閲兵式のようなマーチングを見せてくれます。カッコ良さ抜群!
お、シーベルだな
う、うん……僕だよ
オレの腕の中に来い……!

(と言って自分からシーベルを抱きしめる)


……で、マルグリートは?

き、きっと教会に行ってるんだよ、たぶん(汗)
そうか。オレのために神に祈ってくれてるんだな。

愛しい妹よ! あの子はオレたちの戦闘の話を、一生懸命に聞いてくれるだろう

ああ、楽しみだ。家族に

静かに打ち震えている子供や老人たち、娘たちに、戦闘や戦争の話をすることは!

不滅の栄光よ

我らの祖先に忠実であれ

彼らのように、我らも死のう

そしてお前の翼の下

勝利の兵士たちに道を示し

心を燃え立たせよ

勇ましくてカッコいい歌だけど……

いかにも軍国主義って感じもするね

戦争賛美となると、日本人は特にアレルギーがあるんだよな
そうだね。たぶんそれは外国でも同じで、あえて悲しげな演出になっていることもあります。痛々しい姿の傷病兵と、威張り腐った軍のトップとを対照的に見せる、なんていうのも見たことがあるよ。

でもここで戦争の良し悪しを論じてしまうと、それこそ物語の本筋から離れてしまいます。


ここではヴァランタンが立派にお役目を果たして帰ってきた、ということで良いのではないでしょうか

舞台の設定により、いろんな国や時代の雰囲気を楽しめる場面でもあります。

中世の十字軍あり、明治期の大日本帝国海軍あり。

ぜひ脳内でお好みの軍隊を当てはめ、再生してみてください(笑)!

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