第6話 6群の合唱、混戦!
文字数 1,914文字
第2幕 第1場
町の門の前では定期市が開かれ、大層なにぎわいです。
傍らには、バッカスの看板を掲げた居酒屋が。人々が楽しそうに飲んでいます。
学生たちはグラスをぶつけ合って盛り上がります。
その喧噪の中へ、今度は勇ましい兵士たちがやって来ます。
一方、のんびりした一群もいます。
すました顔をして実は兵士たちの気を引きたい女の子たち。
学生たちは(嫉妬して?)追いかけます。
おばさん、気に入られようったって無駄よ
あんたたちが怒ったところで全然怖くないわ
皺だらけの額が赤くなるだけでしょ
ねえ、かっこいい男の子があたしを選んでくれるのよ
誰だって信じちゃう
かっこいい男の子があたしを選んでくれるのよ
こちらの動画では、学生、市民、兵士、既婚女性、娘たちの区分はぼかしてありますが、大砲の存在が戦争が近いことを思わせたり、目隠し鬼ごっこ(捕まえた人とキス!)でちょっぴり卑猥な感じを表現したりしています。
大道芸人たちの踊りは、広場の喧噪そのもの。踊り子たちの中に、ちゃっかり悪魔がいますね!
第2場
ヴァランタンが、友人のシーベルを伴って広場にやって来ます。
出征が近いので、やや思い詰めた表情。
首にかけたメダルを握りしめるヴァランタン。
友人たちに近づいていくヴァランタンとシーベル。
ここからヴァランタンによるカヴァティーナ「父祖の代から生まれついたこの地を去る前に」です。
この兄妹の母親。原作では生きていて、マルグリートの自由を奪っているのですが(だから後で殺されてしまう)、オペラではすでに亡くなっている設定です。兄のヴァランタンが妹の親代わりを努めてきました。
つまりヴァランタンは、マルグリートの大切な家族や信仰心を体現するキャラとなっているのです。
ヴァランタンの歌では、前奏曲で耳にしたメロディーが再登場します。
オペラの前奏曲は普通、劇中に出てくる歌のダイジェストという感じで後から作られますが、この曲に関しては前奏曲の方が先だったそうです(グノー自身がそう発言)。
独りぼっちになってしまう妹を心配する、優しいお兄さん。メロディーの美しさはヴァランタン本人よりも、妹のマルグリートがどういう女性なのかを感じさせます。