文字数 268文字



強すぎるほどの雨に
眠気を全て奪われた朝は
目覚ましよりも早く
僕の時間が始まった
いつもの電車は前が詰まって
いつも歩くところは水が押し寄せ
気をつけろと飛んでくるアラート
いつもより暗い部屋で
いつも通りを手繰り寄せ
いつもとは違うリズムで
ドアを開けて見えた空は
ほんの少し前の演奏会が嘘のように
綺麗な青いが広がっていた
昨日までのどんよりな心が
一緒にリセットされ流されていく
雨仕様のファッションは
一瞬で役割を終えた
軽やかな足元に促され
気分が晴れやかになった向こう側へ
虹がこっそり僕を見下ろして
幸運を注いでいるけれど
それよりももう少しだけ
僕は眠りたかった


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