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文字数 224文字
冬の匂いがした気がした
空が泣きそうで何処となく
人も街も虚ろげに見上げてる
施された衣装たち
温もりを手放さぬように
そんな僕らをただ抱きしめる
太陽と月が役割を変えて空を照らす
とばりが降りてくる頃
まだ眠るには早いよと
木々に灯がともり出し
人の流れをせき止め始める
そこに出来る即席のステージに
あなただけの舞台がほら
静かに幕をあける
静かに舞い降りる雪が
ストーリーを盛り上げてくれるから
縫うように足を運び
そこにある全ての演出を飲み込んで
僕らはこの寒い夜を越えていく
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