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文字数 360文字



急足で蹴ってしまった空き缶が
坂道をどこまでも転がる
その様に僕らが背負う
どうでもいい思いが一緒に
旅立ってくれたらいいのになんて
自分で簡単には手放せないくせに
都合のいいことを願う
追いつけないほどのスピードで
動き出す日々の些少なコトに
僕らの周りの人たちは
何故かいろんな理由をつけたがり
取り立てて勝ち誇ったかのように
高らかにそれを掲げる
本当に大切なことには何処か
目を背けながら生きているのに
簡単に成果をあげられる事柄の
甘美な匂いに振り回されて
踊り狂う朝が来るまで
クルクル回る止まりかけの空き缶のように
最後はペシャンコにされて
無かったものにされて捨てられても
得られた一瞬の快楽は
詰め込められた箱の中で消えていく
誰かにさらに蹴られて
コントロールを失っていく時
重なる僕らの毎日は
見えない正解に振り回されながら
今日もどこかで転がり続ける
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