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文字数 399文字


ぽっかり開いた穴があいた
音もなく前触れもなく
想定はたくさんしていても
目の前に不意に現れると
やっぱりなすすべなく感じて
吸い込まれそうで立ち止まってしまう
でも不思議とその中には
何もかもを全て受け入れてくれるような
そんな錯覚が手招きしている
寂しがりやの偽りの慈愛は
いつでも仲間を探しているから
その悪魔の囁きの音色に
人はつい歩みを止めてしまう
でもそこで立ち止まり耳をすませば
別の場所から違う音色が聴こえてくる
その懐かしくも温かいモノを
探し出せたのなら
その暗闇からの囁きはきっと
心地よさから雑音に変わり
近づいてはいけない場所だと
気付かされるのは
あの大嫌いな縦と横との繋がりだ
ささくれぐらいの痛みが
僕の中で疼くのは
僕たちと関わり合う誰かも
同じようにささくれ立っている
そして僕らは傷舐め合って生きている
1人じゃその傷は癒せないけど
共に歩むと同じように傷つけてしまうから
程よく賢く距離とって
今日も僕らはどこか彷徨う

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