３０

心の声なんて
もう何年も蓋をして
自由に話せないまま
胸に秘めてる
言葉にするのは
簡単なことじゃない
何かを壊してまで
発することでもない
ものによっては
墓場まで持っていく覚悟で
鍵をかける
この想いを伝えることは
僕だけにとどまることじゃないから
誰かの人生にまで
責任を取るほどの勇気もなく
昨日よりもまた深く
埋めてしまうんだ
この苦しさから
逃れることはないのだろう
それを選んだのもまた
僕なのだけど
この気持ちを外に出す事を
許される世界に辿り着くまで
また今日も思い出さぬように
光も刺ささぬあの場所で
蓋が開かぬように
新しい鍵をかける