第1話 空

文字数 358文字

空は、あるんだろうか。
青い空は見えるけれど、
ただ「ある」ように
見えるだけではないか?

だって空は「くう」であり
「から」であり虚空である。

「ある」とすれば、
手にとって、味見ができ
匂いもあり、
聞こえるものではないか?

空は見えるけれど
そこにあるのではなく
「ない」のではないか?

とするならば、
その下でうごめく人間は
「ない」ものに覆われ
この地上、
「ない」ものに被せられ
覆われていることになる。

見えない空気
手にとれないものに
生かされいるということは

生かされているものが、
なぜ生きているのか
理解できるものではない。

なぜここにいるのか
なぜ話し なぜ笑い
なぜ怒り なぜ悲しむのかも
空につくられた生き物の
解せる範疇 超えている

だから、言ってしまおう
何も考えることはない
何も悩むこともない
ただ自分の好きなように
死ぬまで生きりゃ、いいんだと。
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