第15話 社会的存在

文字数 387文字

政治なんて知らないよ
あんな汚い、脂ぎった野郎どものことなんか
知りたくもない。
けがらわしい。

「ムリだよ。だって、あの人たちが経営する会社が、この日本って国なんだよ。きみ、もう生まれた時から、ここの従業員なのさ。否応もなく、この水槽で飼育された魚なのさ。」

冗談じゃない。ストライキ。ボイコット!

「ああ、そうか、それでニートだとか引きこもりとかが、何十万人もいるんだな。ムリもないな。それで異世界転生とか、現実逃避の世界に行くわけだ」

どうでもいいんじゃないか。
親の家もあるし、そんな働かなくてもさ。
社会になんか出るより、よっぽどいいよ。
社会との接点は、ネットで充分。

「それもそうだな。消費税が上がろうが、法律が改正されようが、原発が再稼働しようが、俺らの決めることじゃないもんな」

そうそう。ぼくら、この社会をつくる構成員に過ぎず、社会づくりに参加することは、もともとできないのさ。
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